タブーを超えて:映画が描く新たな人間の形『クラッシュ』『Swallow/スワロウ』『TITANE/チタン』レビュー

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人間の心の奥底にある欲望に焦点を当て、タブーとされた過激な内容を映像化した3つの作品を紹介します。

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『クラッシュ』(1996)

「クラッシュ」は、カナダの鬼才デヴィッド・クローネンバーグがJ.G.バラードの同名小説を基に監督した作品です。1996年に製作されたこの映画は、その過激な内容と深遠なテーマで、観客と批評家を大いに分断しました。

ストーリー:

主人公のジェームズ・バラードは、映画プロデューサーの妻キャサリンと倦怠期を迎えていました。ある日、ジェームズは空港へ向かう途中で交通事故を起こし、相手の男性は死亡、その妻ヘレンは重傷を負います。この事故をきっかけに、ジェームズは自動車事故に性的興奮を覚えるようになり、同じような性的嗜好を持つ人々のコミュニティに参加します。

CRASH (1996) / Trailer Oficial PT

ジェームズはヘレンと出会い、彼女もまた事故に性的快感を覚えていました。二人は互いに惹かれ合い、危険なカーセックスを繰り返します。やがて、ジェームズは交通事故死した映画スター、ジェームズ・ディーンに傾倒する男、ヴォーンと出会い、彼らの歪んだ欲望はさらにエスカレートしていきます。

分析:

「クラッシュ」は、人間が抱える本能的な欲望と、文明がもたらす無機質な性質との葛藤を描いています。性と死、そしてテクノロジーの交錯は、クローネンバーグのスタイルそのものであり、視覚的な衝撃と哲学的な探求が巧みに融合されています。この映画はカンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞しましたが、その賛否両論は、映画がどのように社会のタブーを扱うかを示す良い例です。

評価:

視覚的には美しく、思想的には挑発的で、見る者に様々な感情を引き起こす作品です。ただし、内容の過激さゆえに、鑑賞する際には一定の覚悟が必要です。

『Swallow/スワロウ』(2019)

「Swallow」は、カーロ・ミラベラ=デイヴィスが初めて監督した作品で、主演はヘイリー・ベネットが務めています。この映画は、妊婦が異物を飲み込む強迫観念に取りつかれる姿を描き、深い心理的なテーマを扱っています。

ストーリー:

主人公のハンターは、裕福な実業家の息子である夫のリッチーと結婚し、誰もが羨むような生活を送っています。しかし、実際には夫や義父母から軽視され、孤独な日々を送っていました。

そんな中、ハンターは妊娠をきっかけに異食症を発症します。最初は小さなガラス玉を飲み込んだことから始まり、次第にエスカレートしていきます。彼女は、異物を飲み込むことで心の安定を得ようとしていました。

ハンターの異食症は次第に危険なものとなり、彼女の心身を蝕んでいきます。しかし、彼女は誰にも相談できずに苦しんでいました。

幸せって何? – ビー玉を呑み込むことに快感を覚えた妻 | SWALLOW/スワロウ

分析:

「Swallow」は、女性の自己アイデンティティと社会的抑圧、そして自己破壊的な行動への逃避を探求します。ハンターの行動は、彼女自身の存在意義や自由への欲望を反映しており、視覚的にも象徴的です。ベネットの演技は特に際立ち、映画祭で数々の賞を受賞しました。

評価:

心理スリラーとして優れ、現代社会における女性の役割と抑圧を描く点で非常に興味深い作品です。テーマの深さと演技力が評価され、観客に強い印象を残します。

「TITANE/チタン」(2021)

「TITANE」は、ジュリア・デュクルノーが監督し、2021年のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したフランス映画です。自動車と人間の関係性を異端な視点から描いた作品であり、クローネンバーグの影響が感じられます。

ストーリー:

アレックス(アガート・ルソー)は幼少期に交通事故で頭部にチタンのプレートを埋め込まれた経験を持つ女性です。彼女は成長してダンサーとなり、エクストリームなカー・ショーで働いています。そこで彼女は車に対する異常な愛着を示し、ある日、車と性的な関係を持つまでに至ります。これが原因で彼女は妊娠し、さらに奇妙な事件に巻き込まれていきます。

その後、アレックスは警察から逃れるために自分の髪を剃り、他人になりすますことを決意します。彼は行方不明の消防士アドリエン・ルルー(ヴィンセント・ランドン)の息子ビンセントとして偽装し、その父親と共に生活を始めます。しかし、彼女の体は妊娠が進行するにつれて変化し、その秘密を隠すことがますます難しくなります。

『TITANE/チタン』本予告

分析:

「TITANE」は、身体性とアイデンティティ、そしてテクノロジーがもたらす変容についての物語です。デュクルノーは、人間性の本質とその限界を挑発的なビジュアルとストーリーテリングで問い直します。クローネンバーグの「クラッシュ」と同様に、身体改造や性欲の表現が話題となりました。

評価:

この映画は、視覚的には革新的で、テーマ的には挑戦的です。観客の心に深く刻まれるビジュアルと、感情の激しい波動が評価され、現代の社会問題についての深い洞察を提供します。

結論

これら3つの映画は、それぞれ異なる時期と文化背景から、性、身体性、そしてアイデンティティを探求します。「クラッシュ」と「TITANE」はテクノロジーと人間の関係に焦点を当て、「Swallow」は個人的な内面の葛藤を描き出します。どの作品も視覚的、精神的に強烈な体験を提供し、映画というメディアの可能性を広げる一助となっています。観客は、これらの映画を通じて、社会的なタブーや個人の苦悩について深く考える機会を得るでしょう。

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