Mrs. GREEN APPLE『ANTENNA』:感受性のアンテナが響き合う名盤を徹底解説

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2023年7月5日にリリースされたMrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)の5thフルアルバム『ANTENNA』は、バンドにとって本当に特別な作品です。前作『Attitude』から約4年ぶりで、活動休止を乗り越えて“フェーズ2”として再始動した3人体制で初めてのフルアルバムなんです。発売されてすぐに話題になり、音楽チャートを席巻したこのアルバムは、ミセスの新しい魅力や進化がたっぷり詰まっています。今回は、『ANTENNA』のコンセプトや収録曲の魅力、そしてこのアルバムが持つ意味を、ファン目線でじっくりお伝えします。

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『ANTENNA』というタイトルに込められた想い

まず、アルバムタイトル『ANTENNA』に注目したいです。ボーカル兼ギターの大森元貴さんは、このタイトルについて「感受性」というキーワードを挙げています。ミセスが結成した頃から、メンバー同士で「アンテナを立てていこうぜ」と言い合っていたそうで、それは「気張っていこう」「集中していこう」という意味を持っていたそうです。そんな彼らの“アンテナ”が捉えた感情や情景が、このアルバムにぎゅっと詰まっています。大森さんは「明るいことも悲しいことも、いろんな色に置き換えて美しいものにしたい」と語っていて、それがアルバムジャケットの抽象的でカラフルなデザインにも表れています。見ているだけで心が動くようなアートワークですよね。

このアルバムは全13曲で、約53分というボリュームです。聴き終わった後に「まだ聴いていたい!」と思わせる絶妙な長さで、ミセスの音楽にどっぷり浸れる贅沢な時間を味わえます。

収録曲のハイライト:多彩な感情が響き合う

『ANTENNA』の魅力は、やっぱりその多彩な楽曲たちです。ミセスの持ち味であるポップさとロックの融合がさらに進化していて、意外性のあるアレンジや深いメッセージが散りばめられています。ここでは、特に印象的な曲をいくつかピックアップして紹介しますね。

  1. 「ANTENNA」
    アルバムの幕開けを飾るタイトル曲は、パワフルなギターリフと疾走感がたまらない一曲です。人生の喜びも悲しみも受け止めて進む決意が歌詞に込められていて、「アンテナコントロールして/憂鬱も抱きしめて」というフレーズが胸に刺さります。転調を繰り返す構成や大森さんの表情豊かなボーカルが、まるで未知の世界へ突き進むような高揚感を生み出しています。この曲を聴くと、ミセスのライブでドームが揺れる光景が目に浮かびますね。
  2. 「Magic」
    コカ・コーラ「Coke STUDIO」のキャンペーンソングとして先行配信されたこの曲は、ケルト音楽を思わせる軽快なリズムが特徴です。ブラスやストリングスが絡み合うアップテンポなサウンドは、聴いているだけで心が弾みます。実はこの曲、活動再開後に最初にレコーディングされた楽曲なんです。大森さんが「ミセスらしさ」を意識して作ったと語るように、バンドの新しいスタートを象徴する一曲だと感じます。
  3. 「私は最強」
    アニメ映画『ONE PIECE FILM RED』の劇中歌としてAdoさんに提供した楽曲のセルフカバーです。原曲の力強さはそのままに、ミセスらしいバンドサウンドが加わって、さらにスケールアップした印象です。自信と希望に満ちた歌詞が、大森さんの伸びやかな声と相まって聴く人を励まします。個人的には、サビの「私は最強!」を一緒に叫びたくなる瞬間がたまりません。
  4. 「ケセラセラ」
    ドラマ『日曜の夜ぐらいは…』の主題歌としてリリースされたこの曲は、ミセスの代表曲の一つと言ってもいいくらいです。藤澤涼架さんのストリングスとホーンのアレンジが光るオーケストレーションが美しいですよね。日常の中の小さな希望を信じる姿勢を描いた歌詞は、聴くたびに温かい気持ちにさせてくれます。特に「ケセラセラ」という言葉が持つ楽観的な響きが、ミセスの優しさを象徴していると思います。
  5. 「Soranji」
    映画『ラーゲリより愛を込めて』の主題歌として書き下ろされたバラードです。大森さんが10年間歌い続けてきたテーマの集大成とも言えるこの曲は、愛や死生観に触れながらも希望を失わないメッセージが心に残ります。「ケセラセラ」と対をなすようなスケールの大きさがあって、アルバムの中盤に配置されているのも納得です。静かに始まり、徐々に感情が溢れる展開に毎回涙腺が緩みますね。

他にも、R&Bテイストの「Blizzard」や、北欧神話の女神をテーマにしたスウェーデン語の「norn」、メンバー3人の絆を感じさせる「BFF」など、どの曲も個性が際立っていて飽きることがありません。特に「norn」は、アコースティックギターやマンドリン、ニッケルハルパといった民族楽器が織りなす独特の雰囲気が新鮮で、若井滉斗さんが「挑戦だった」と語るのも頷けます。

▼Apple Musicで視聴・購入

3人体制のミセスが描く“自由な現在地”

『ANTENNA』は、ミセスが5人から3人体制に移行し、活動休止を挟んで再始動した後の初フルアルバムという点でも特別です。大森元貴さん(Vo/G)、若井滉斗さん(G)、藤澤涼架さん(Key)の3人が、それぞれの個性と技術を最大限に発揮しています。例えば、大森さんのソングライティングはより自由で深みを増し、若井さんのギタープレイはテクニカルかつ感情的、藤澤さんのアレンジは洗練されていて多彩です。この3人が揃うことで、ミセスの音楽はさらにスケールアップしたと感じます。

活動休止中に「テレビから流れるミセスの曲が他人のものに聴こえた」と大森さんが語っていたように、フェーズ2のミセスは過去の自分たちを超える決意を持って戻ってきました。その決意が、『ANTENNA』の自由奔放さと緻密な制作に表れていると思います。アルバム全体を通して、ポップ、ロック、民族音楽、R&Bとジャンルを飛び越える柔軟性があって、まさに“感受性のアンテナ”がフル稼働している証拠です。

豪華な特典とリリース時の熱狂

アルバムの形態も見逃せません。通常盤に加えて、初回限定盤(CD+DVD)、完全生産限定BOX(CD+Blu-ray+グッズ2種)、そしてファンクラブ限定の“JAM’S BOX”(CD+Blu-ray+グッズ8種)という4形態が用意されています。特に完全生産限定BOXには、約150分に及ぶドキュメンタリー映像「Documentary — Episode 3 “ANTENNA”」が収録されていて、制作の裏側を覗けるのがファンにはたまらないです。Tシャツやステッカーなどのグッズも可愛くて、コレクター心をくすぐられますね。

リリース時には、全国のCDショップが「ANTENNAショップ」としてキャンペーンを展開したり、渋谷に巨大な“ANTENNA SPOT”が登場したりと、街全体がミセス色に染まった感じがありました。Apple MusicやSpotifyなどのランキングでも軒並み1位を獲得して、ファンの期待がどれだけ高かったかを物語っています。

『ANTENNA』がミセスにもたらしたもの

『ANTENNA』は、2024年3月に「第16回CDショップ大賞2024」で大賞を受賞するなど、音楽業界でも高く評価されました。個人的には、このアルバムがミセスを“ドーム級のアーティスト”へと押し上げたターニングポイントだと感じています。実際、2023年8月のベルーナドーム公演やその後のツアーでは、『ANTENNA』の楽曲が大空間を埋め尽くすほどの迫力を発揮していました。

ミセスが結成10周年を迎えた2023年にリリースされたこのアルバムは、彼らの過去と未来をつなぐ架け橋でもあります。フェーズ1の集大成であるベストアルバム『5』からフェーズ2へ、そしてさらなる高みへと向かう意欲が感じられる一枚です。聴くたびに新しい発見があって、何度でも繰り返し楽しめる深みが『ANTENNA』にはあります。

まとめ:ミセスのアンテナに共鳴しよう

『ANTENNA』を聴くと、ミセスの音楽が持つ力強さと優しさ、そして無限の可能性に改めて感動します。喜びも悲しみも全部抱きしめて進む彼らの姿勢は、聴く私たちにも勇気を与えてくれますよね。このアルバムは、ミセスがただのロックバンドを超えて、人々の心に寄り添う存在になった証だと思います。

もしまだ聴いていない人がいたら、ぜひ一度手に取ってみてください。そして、ミセスのアンテナが捉えた色とりどりの世界に耳を傾けてみてください。きっとあなたのアンテナも共鳴して、何か新しい感情が芽生えるはずです。私にとっては、2023年のベストアルバムであり、これからもずっと愛聴盤であり続けるでしょう。

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