異星人の襲来、そして共存の模索――ロシアSF大作「アトラクション」シリーズの魅力に迫る

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ロシアが誇るSF映画大作「アトラクション」シリーズは、単なるSFアクションの枠を超え、異種族間のコミュニケーション、偏見、そして愛という普遍的なテーマを深く掘り下げた作品です。2017年に公開された第一作「アトラクション 制圧」(原題:Притяжение / Prityazhenie)と、2020年に公開された続編「アトラクション 侵略」(原題:Вторжение / Vtorzhenie)は、その圧倒的なVFXと予測不能なストーリー展開で、世界中のSFファンを唸らせました。

今回は、この壮大なSFサーガの魅力に迫るべく、それぞれの作品の内容と見どころを詳しく解説していきます。

第一作「アトラクション 制圧」:突如現れた異星人、そして芽生える禁断の愛

『アトラクション 制圧』予告編

【内容】

物語は、ロシアの首都モスクワ上空に突如として現れた巨大な宇宙船から始まります。その圧倒的な存在感に人々はパニックに陥り、ロシア軍は迎撃態勢を取ります。しかし、宇宙船はモスクワ中心部に墜落し、混乱と破壊をもたらします。

墜落した宇宙船から姿を現したのは、人類とは異なる姿を持つ異星人「ヘゴン」でした。政府はヘゴンの身柄を拘束し、厳重な警備の下で調査を進めます。しかし、この未曾有の事態は、人類の社会に大きな波紋を投げかけます。人々は未知の存在に対する恐怖と憎悪を募らせ、デモや暴動が頻発するようになります。

そんな中、物語の中心となるのは、墜落現場近くに住む女子高生ユリアです。彼女の父親はロシア軍の将軍で、ヘゴンとの接触を厳しく禁じていました。しかし、ひょんなことからユリアはヘゴンと接触し、負傷した彼を匿うことになります。言葉も文化も異なるヘゴンとの交流を通して、ユリアは次第に彼への理解を深めていきます。そして、二人の間には、異種族間という壁を越えた、許されざる愛が芽生え始めるのです。

しかし、その愛は人類全体を巻き込む大きな衝突へと発展していきます。ヘゴンを敵視する人々は、ユリアとヘゴンの関係を知るや否や、彼らを排除しようと画策します。ユリアの幼馴染であり、ヘゴンに深い憎しみを抱くチョーマは、ヘゴンを追い詰めるために過激な行動に出ます。そして、人類の恐怖とヘゴンの目的が交錯する時、モスクワは再び戦場と化すのです。

【見どころ】

  • 圧倒的なVFXとスペクタクル描写: まず目を奪われるのは、宇宙船の墜落シーンや異星人との戦闘シーンにおけるVFXのクオリティです。ハリウッド大作にも匹敵するCG技術で描かれる破壊と混乱の描写は、観客を物語の世界へ引き込みます。特に、ロシア軍の最新鋭兵器が異星人の技術とぶつかり合う様は、まさに圧巻の一言です。
  • 異種族間のコミュニケーションと偏見の描写: 本作の最も重要なテーマの一つが、異種族間のコミュニケーションの難しさと、未知の存在に対する偏見の描写です。人々はヘゴンを理解しようとせず、一方的に敵視します。しかし、ユリアは彼と心を通わせることで、その内面に触れていきます。この対比が、観客に「異質なものを受け入れること」の重要性を問いかけます。
  • 「ロミオとジュリエット」的な禁断の愛: ユリアとヘゴンの間に芽生える愛は、まさに「ロミオとジュリエット」のような切なくも美しい禁断の愛です。異なる種族、そして敵対する関係の中で、二人が互いを理解し、惹かれ合っていく過程は、観客の胸を打ちます。このラブストーリーが、SFアクションというジャンルに深みと人間ドラマとしての魅力を加えています。
  • 社会の混乱と人間の本質: 突如現れた異星人によって、社会の秩序が崩壊し、人々の本性が剥き出しになる様がリアルに描かれています。恐怖と不安から生じるデマや暴動、そして過激な行動に走る人々の姿は、現代社会にも通じる普遍的な問題提起を含んでいます。
  • 哲学的テーマの提示: ヘゴンが地球に降り立った真の目的、そして彼らが人類に何を伝えようとしているのか、という問いは、観客に深い考察を促します。単なる侵略者ではないヘゴンの存在は、人類の傲慢さや狭量さを浮き彫りにし、共存の可能性について考えさせられます。

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第二作「アトラクション 侵略」:激化する対立、そして人類の選択

アトラクション-侵略-

【内容】

第一作から3年後。ヘゴンとの接触によって、地球は再び大きな危機に瀕していました。第一作での事件によって、ユリアの身体には異星人のテクノロジーが取り込まれてしまい、彼女は超常的な能力を持つ存在となっていました。しかし、その能力は彼女の命を蝕むものでもありました。

ヘゴンはユリアを救うため、そして地球と人類に重要なメッセージを伝えるため、再び地球へと帰還します。しかし、その帰還は、すでに異星人に対する不信感を募らせていた人類社会に、さらなる混乱と恐怖を巻き起こします。ロシア政府はヘゴンを危険視し、ユリアの身柄を確保しようとします。

ユリアは、ヘゴンと再び心を通わせ、彼の真の目的を知ろうとします。しかし、政府は彼女を拘束し、能力を解明しようと試みます。一方、人類の対立は激化し、異星人を完全に排除しようとする強硬派と、共存の道を模索しようとする者たちの間で、大規模な衝突が勃発します。

物語は、ユリアが自身の能力と運命に葛藤しながら、人類と異星人の間で板挟みになる姿を中心に描かれます。彼女は、愛する者たちを守り、人類とヘゴンが共存できる未来を探るため、絶望的な状況の中で奮闘します。そして、明らかになるヘゴンの真の目的と、人類に突きつけられる究極の選択が、物語を最高潮へと導きます。

【見どころ】

  • スケールアップしたSFアクションとVFX: 前作を遥かに上回るスケールで描かれるSFアクションシーンは、まさに圧巻です。水を使ったVFX表現は特に目覚ましく、モスクワを舞台にした激しい戦闘シーンは、その迫力と美しさで観客を圧倒します。街が水没し、光が乱反射する中で繰り広げられる攻防は、映像美の極致と言えるでしょう。
  • ユリアの成長と葛藤: ユリアは前作の女子高生から、異星の力を持つ存在へと変貌し、物語の中心人物として大きく成長します。自身の能力に苦悩し、人類と異星人の板挟みとなる彼女の葛藤は、観客の共感を呼びます。彼女が下す決断が、人類の未来を左右するという重責も、物語に深みを与えています。
  • より深掘りされる異星人の思想と目的: ヘゴンは単なる侵略者ではなく、より高次元の存在として、人類の進化と地球の未来について深く考察しています。彼らが人類に伝えようとするメッセージは、単なるSFの枠を超え、環境問題や共存といった現代社会の重要なテーマと深く結びついています。
  • 人類の多様な反応と選択: 異星人の存在に対する人類の反応は、前作以上に多様に描かれます。恐怖と憎悪から暴力に訴える者、自身の利益のために異星人の技術を悪用しようとする者、そして共存の道を模索し、命を賭して戦う者。それぞれの選択が、人類の未来を左右するという重いテーマが提示されます。
  • 「愛」の普遍的な力: ユリアとヘゴンの愛は、前作以上に試練に晒されます。しかし、彼らの愛は、単なる男女間の感情を超え、異なる種族や文化の壁を乗り越える普遍的な力として描かれています。この愛が、人類と異星人の間に架け橋をかけ、希望をもたらす可能性を示唆しています。
  • 社会問題への示唆: 環境破壊、偏見、そして情報操作といった現代社会が抱える問題が、異星人との遭遇というSF的な設定を通して、より鮮明に提示されます。特に、情報の真偽が曖昧になる現代において、何が真実で何がフェイクなのかを見極めることの重要性が問われます。

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まとめ:ロシアSFが提示する、共存の未来への問いかけ

「アトラクション」シリーズは、単なるSFX重視のアクション映画ではありません。その根底には、異種族間のコミュニケーション、偏見、そして愛という普遍的なテーマが流れています。圧倒的な映像美と予測不能なストーリー展開は、観客を物語の世界に引き込み、同時に私たち自身の社会や倫理観について深く考えさせられます。

第一作「制圧」では、異星人との突然の遭遇によって社会が混乱し、偏見と恐怖が蔓延する様子が描かれました。しかし、その中でユリアとヘゴンの禁断の愛が芽生え、異なる存在との共存の可能性を示唆します。

続く第二作「侵略」では、そのテーマがさらに深掘りされ、人類が直面する究極の選択が描かれます。圧倒的なVFXで描かれる水没したモスクワでの戦闘シーンは圧巻の一言ですが、それ以上に重要なのは、ユリアの葛藤と成長、そして異星人が人類に伝えようとするメッセージです。環境問題や共存といった現代的なテーマが盛り込まれており、単なる娯楽作品としてだけでなく、社会に対する問題提起としても非常に示唆に富んでいます。

ロシア映画というと、重厚な歴史ドラマやアート系の作品を想像する人も多いかもしれません。しかし、「アトラクション」シリーズは、ハリウッド大作にも劣らないエンターテインメント性と、ロシア映画ならではの哲学的な深みを兼ね備えた、まさに新時代のロシアSFと言えるでしょう。

未見の方は、この壮大なSFサーガをぜひ体験してみてください。きっと、あなたのSF映画に対する認識を覆し、そして「共存」というテーマについて深く考えるきっかけを与えてくれるはずです。地球の未来、そして人類のあり方を問いかける「アトラクション」シリーズは、SF映画ファンならずとも必見の作品です。

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