ホアン・フェニックスがDCコミック悪役であるジョーカーを演じたタイトルもそのままの『ジョーカー』を鑑賞しました。
予告映像からおおよそのストーリーというか概要は分かっていました。
アーサー・フレックという青年が世に受け入れらず、社会から疎外され、やがてジョーカーという名の凶悪犯に変貌する。
今までのDCコミック実写版とは距離を置いた、シリアスなドラマだろうということ。
バットマンは登場せず、彼が中心となる物語であること。
この予想は当たっていたところもあり、当たっていないところもありました。
なぜジョーカーが誕生したのか?
なぜジョーカーが誕生したのか?
本作を完結に言えばこの一行になります。
コメディアンを目指しているひとりの青年アーサー・フレック が、凶悪なジョーカーになるまでの過程をじっくりと描いています。
凶悪な人物であるのに共感してしまう
ジョーカーは凶悪な人物で、本来なら共感できないキャラクターです。
しかし、世の中に受け入れらず、貧困と孤独の中で苦悩する姿は誰でも少なからず共感してしまうのではないでしょうか?彼が起こした犯罪も許せてしまうのでは?
彼は無差別に人を殺したわけではなく、必要に迫られただけ。
精神を病んではいるが、至ってまともな人間なのでは?
社会の中の個人の存在を考えさせられる作品でした。
アーサー・フレック(ジョーカー)の境遇
売れないコメディアン
彼はコメディアンでありますが、売れていないために日々の生活費は路上で看板持ちをして稼いでいます。低階級層市民であり、貧困生活に喘いでいます。
職場でパワハラ、イジメを受けている
看板持ちをしている職場では上司からのパワハラを受けていて、あることがきっかけで突然クビにされてしまいます。そのきかっけの材料を作ったのは彼の同僚。彼は同僚から嵌められたと思い込みます。
母親の介護
老いた母は精神を病み、寝たきりの状態で、彼は母親の身の回りのすべての面倒を見ています。
子供の頃虐待され、その影響で心を病む
彼は子供頃、母親から虐待され、そのトラウマから精神を病んでしまいます。極度に緊張すると、笑いが止まらなくなる症状が出てきます。
それがやがて殺人事件を起こすきっかけとなります。
父親は街の有力者で、父親の愛を求めている
物心が付いた頃から父親とは面識がなく、父親の愛情を求めていました。母親の手紙から、父親がゴッサムシティの有力者であるトーマス・ウェインだと知ります。
父親に会いに行った彼は無視され、挙句の果てには殴られる始末。
自分が孤児であり、ウェイン家とはまったく血縁のない存在だと知ると、嘘を付いていた母親を殺害してしまいます。
現在の社会問題も反映
日本を含めて現在の先進国が抱える社会問題である社会格差、老親の介護、子の虐待、いじめ、パワハラ、集団暴動など が反映されています。
主人公アーサー・フレックが暮らす社会は映画が作り上げた虚構の世界ではなく、現代の社会そのものを描写しているのです。
バットマンとの繋がりもあり
予想が当たらなかったのは、バットマンと繋がりがあったということです。
やはり本作はDCコミックの系列。バットマンから生まれた悪役はバットマンの世界にいないといけないです。
彼の住む街はゴッサムシティであり、のちにバットマンとして対決するブルース・ウェインも登場します。
2021年公開『The Batman』との繋がりはあるのか?
2021年にロバート・パティンソンが主演を務める『The Batman(仮題)』が公開されますが、『ジョーカー』と繋がりはあるのでしょうか? ホアン・フェニックスが再びジョーカーとして登場するのでしょうか?
現時点の情報では新バットマンと対峙するヴィランはペンギンとキャット・ウーマンのようです。キャット・ウーマンはゾーイ・クラヴィッツが演じるとの発表がありました。
残念ながらホアン・フェニックス版ジョーカーの登場はないようです。
『ジョーカー』の続編は2008年公開の『ダークナイト』と思った方がいいかもしれません。
バットマンとジョーカーの対決である『ダークナイト』を超える作品を作るのは難しいですから。
『ジョーカー』アマゾンプライムで見放題
『ジョーカー』は2021年7月8日からアマゾンプライムで見放題配信されています。
ジョーカー(字幕版)
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