1970年代オカルト映画ブームのきっかけになった2作品『エクソシスト』『オーメン』

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オカルトとは「神秘的」とか「超自然的」とかいう意味で、広い意味で心霊現象全般を表す単語です。

今までオカルト映画は数多く作られてきましたが、ブームのきっかけになった記念碑的作品は二つあります。

今回はその2作品を紹介させていただきます。

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エクソシスト(1973年)

アメリカで1973年12月に公開され、日本では1974年7月13日に公開されました。

僕は当時、劇場で鑑賞しました。高校生の頃で、学校で映画鑑賞会みたいな日があって、生徒全員で映画館貸し切りで鑑賞です。ミッション系の高校なのか、キリスト教に関係した作品が鑑賞会の対象になっていました。

エクソシストとは悪魔祓い祈祷師のこと

タイトルのエクソシストとは”悪魔祓いの祈祷師”という意味で、タイトル通り本作は悪魔に憑りつかれた少女をカソリックの神父が祈りの力で少女の身体から悪魔を追い出す話です。

原作は米作家ウィリアム・ピーター・ブラティ「The Exorcist」

原作はアメリカの作家ウィルアム・ピーター・ブラティの「The Exorcist」

彼が1949年にジョージタウン大学でクラスの学生であったときに聞いた悪魔払いの事件に触発されて書いたものです。

映画作品は原作をほぼ忠実に映像化しており、実話を元にした映画作品ということになります。

老いた神父と心病む若い神父が悪魔と戦う

マックス・フォン・シドー演じる老いた神父メリンとジェイソン・ミラー演じる若き神父カラスが、少女に憑いた悪魔を追い出すために、少女の部屋で悪魔祓いの儀式を行います。

カラス神父は自分の母親の面倒を見ることができず、孤独のうちに死なせてしまったという懺悔の念を持っていて、悪魔祓いの儀式の最中に悪魔から心の弱みを利用されてしまいます。

本作は単に超常現象だけを描写するだけではなく、苦悩する神父を通して、人間の心の弱さも描写した作品なのです。

少女が悪魔に憑かれたきっかけは?

少女が悪魔に憑りつかれたきっかけを描写したシーンがなく、彼女はある日、突然に憑りつかれたということになります。

冒頭でメリン神父がイラク北部の史跡発掘現場で悪魔の像を発見。これが本作で描写された悪魔登場のシーンであり、唯一のきっかけとなります。

悪魔は遠く離れたアメリカに住む、何ら関係のない少女に憑りついたわけで、誰でもいつでも悪魔に遭遇するということを教えてくれます。

首から上が180度回転、ベッドから浮かび上がる身体

当時はCG技術が発達していなかったですが、少女の首から上が180回転して振り返ったり、ベッドから身体が浮かび上がる特撮映像が観客の度肝を抜きました。

視覚効果やワイヤーを駆使した手作業の特撮でしたが、とてもリアルな映像に仕上がっています。

少女を演じるリンダ・ブレアが人気に

悪魔に憑りつかれた少女リーガンを演じたのが、リンダ・ブレア。当時14歳でした。

可憐な少女の表情からしだいに悪魔に変貌していく形相。その演技力からゴールデングローブ助演女優賞を受賞しました。

少女が発した「ファックミー」という卑猥な言葉は当時流行したような記憶があります。

1977年の続編となる少女リーガンのその後を描いた『エクソシスト2』にも同じ役で出演しています。

お勧め度:(3.8/5)

オーメン(1976年)

名優グレコリー・ペックがアメリカの外交官ロバート・ソーンを演じ、悪魔の子として産まれてきた子供を養子に迎えた父親の苦悩を描いています。

悪魔の子供ダミアン誕生の秘密

ソーンの妻キャサリンがローマの産院で6月6日午前6時に出産。しかし、死産だったということで、ソーンは同時刻に生まれて、母親が死に孤児になった子供をキャサリンの産んだ子として引き取ります。

ダミアンと名付けた子供は実は山犬が生んだ悪魔の子供だったのです。この事実は物語の中盤、ダミアンが生まれたローマの地の古い墓地で発覚します。キャサリンが生んだ子供は死産ではなく、悪魔を信仰する者たちによってすぐに撲殺され、死んだ母犬の墓の横に葬られていたのです。なんて不可解で恐ろしい設定なんでしょう。

ダミアン5歳になって次々に起こる不可解な事象

ダミアンが5歳になって、彼が悪魔であることを示す伏線が次々に現れます。

謎の乳母登場

ダミアンが5歳になった誕生会会場で乳母が「あなたのためよ」と叫びながら首つり自殺。その後に雇った乳母は鋭い顔つきをした熟女。実は彼女は悪魔の信徒で、ダミアンに「あなたを守りに来た」と告げます。悪魔がダミアンを守るために乳母を入れ替えたということですね。

ダミアン出生の秘密を知る神父現る

その後もローマからやってきたという神父が登場し、「奴はあなたの全てを奪う」 「ご子息の出産に立ち会った。あれの母親を見た」 「奴は母親も、お腹の子も殺す。奴は悪魔の子だ」 など謎の忠告したあとに、落雷で落ちてきた教会の避雷針に串刺しになって即死。

カメラマンの写真に写った謎の影

ソーンの周囲を取材していたカメラマンが撮影した写真に、謎の影が写り込みます。

自殺した乳母の首に架かった紐のような影、神父に刺さるように背中に架かった斜め上からの影、そして、鏡に映ったカメラマン自身の写真には首に横一文字の黒い影。それらが予告になったかのように、乳母、神父、カメラマンが死んでいくのです。

特に主人公ソーンとともにダミアン出生の秘密を追いかけていたカメラマンが、トラックからずり落ちたガラス板で首が吹っ飛ぶシーンがリアルに表現されていて、思わず目を覆いたくなります。

物語のキーとなる666の数字

本作には666の数字が所々で登場してきます。

666の数字は新約聖書ヨハネ黙示録13章18節にある
「 ここに知恵が必要である。賢い人は、獣の数字にどのような意味があるかを考えるがよい。数字は人間を指している。そして、数字は六百六十六である」
から来ています。

本作は悪魔の弟子の証として、666という数字が身体のどこかに刻まれているとしています。

ダミアンの頭部、髪の毛に隠された頭皮に666が刻まれていました。ダミアンが悪魔の子である証です。

衝撃のラスト、悪魔は殺せない

教会堂に入り、悪魔払い師から調達した短剣でダミアンを殺そうとしたソーンですが、なんと児童虐待を懸念した警察官により彼は射殺されてしまいます。

父ソーンと母キャサリンの葬儀を見守るダミアン。彼の両手は葬儀に出席した大統領夫妻としっかり繋がっています。

後ろを振り返るダミアンの顔には怪しげな笑みが浮かんでいます。

ゾッとするラストシーン、悪魔の子ダミアンは彼を抹殺しようとした人間たちを排除してしまったのです。

続編が次々に作られる

『オーメン』のヒットを受け、続編とリメイク版が次々に作られました。

『オーメン2/ダミアン』(1978年)
『オーメン/最後の闘争』(1981年)
『オーメン4』(1991年)
リメイク版『オーメン』(2006年)

お勧め度:(3.7/5)

まとめ

『エクソシスト』『オーメン』ともに1970年代の映画ですが、CG技術が発達した現在でも見劣りがしない映像と巧妙なストーリー展開。オカルト映画ブームのきっかけを作っただけある名作です。

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