AI美女は人を愛せるのか~AIとの性をテーマにしたSF『A.I.ライジング』

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WOWOWで今年放送されたセルビアで製作されたSF作品『A.I.ライジング』。

セルビアはハンガリー、ルーマニア、ブルガリアに囲まれたヨーロッパの一国で、日本ではあまり馴染みのない国。この国で作られたSF映画ってどんな作品なんだろうと興味は沸いたものの、時間とレコーダーのHD残量の兼ね合いで録画鑑賞を諦めていた作品でした。

しかし、WOWOWには放送された作品をオンデマンドで鑑賞できるWOWOWオンデマンドというのがあって、会員ならいつでも好きな時間に鑑賞ができ、ちょうど本作がアップロードされていたこともあって鑑賞することができました。

▼2022/11/1現在 Amazon Prime見放題で鑑賞できます。


A.I.ライジング
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本作のテーマはA.I.との性の関係

本作はずばりAIとの性の関係をテーマにした作品です。 

原作はゾラン・ネスコヴィッチによる1980年代の短編小説。

ネタバレにはなりますが、ストーリーを簡単に説明すると、

2148年の国家が消滅して社会主義となった世界、ベテラン宇宙飛行士ミルーティンが世界最大の宇宙開発企業エデルレジ社に雇われ、約4光年先のケンタウルス座アルファ星への探査ミッションに出発。
彼の任務を補佐するため、女性型アンドロイドのニマーニ1345が同行します。彼女は任務を補佐するだけではなく、話し相手やセックスの相手までするようプログラミングされています。
長い宇宙生活の中で、すべて従順に相手をしてくれるニマーニにミルーティンは不満を抱くようになり、彼女を人間の感情を持った恋愛対象としての女にするために危険を冒してプログラムを書き換えます。
プログラム書き換え後、再起動したニマーニはミルーティンの思惑に反して、反抗的で頑な態度を取るようになり、性的関係をも拒絶するようになります。
彼女の素っ気ない態度からミルーティンは精神を病むようになり、任務を遂行することが不可能な状態へ。
この事態にニマーニは自分が原因であることを理解し、自らの充電池を放電し、機能を停止させてしまいます。
ミルーティンは自分のためにニマーニが死を選んだことを知ると、彼女を救うために危険を冒して宇宙船外にある太陽電池の元へ。
完全停止までギリギリのところでニマーニの充電を完了させたミルーティンは意識を失ってしまいます。
再起動したニマーニはミルーティンをそっと抱きかかえます。

AIとの性の関係をテーマにした作品には他に、ホアキン・フェニックスが主演した『her/世界でひとつの彼女』(2014年)がありますが、性の相手はPCの中の人工知能で、iPhoneの「Siri」のような実体のない存在でした。

『A.I.ライジング』の相手は人間の女性を模したアンドロイドであり、それも体形も性格も自分の好みが反映された理想の女性として作られています。

自分の思い通りに女性と性行為ができるなんて男にとっては羨ましい限りなんですが、数々の女性との関係を経験してきたミルーティンにとっては物足りなく感じてしまったわけなんです。もっと感情的に情熱的に自分を求めて欲しい。スイッチひとつで行動するのではなく、自分の意思で求めてきて欲しい。そう思ってしまったわけなんですね。

プログラムを書き換えることで、人間のような感情を起こそうとしたものの、思惑は見事に失敗。義理的な性行為すら拒否されるようになってしまいました。(このあたりの失望感は男ならよくわかる)

ニマーニが自分のために堕落してしまったミルーティンを立ち直させるべく、自らを停止、破壊させようとした行為に人間の感情を見て取ったミルーティンは希望を持って危険覚悟で彼女を救おうとします。

ニマーニもまた危険を冒してまで自分を助けたミルーティンに人間らしい愛の感情を見せたところでエンドロール。

太陽の放射線を大量に浴びたミルーティンの生死が明らかにされないまま幕を閉じてしまったのには多いなる不満を感じますが、機械的なAIアンドロイドが人間らしい感情を次第に見せて来る過程はなかなか深みがあっていいんではないでしょうか。

ビジュアルが美しい

宇宙区間を舞台にした作品はまずはCG映像のクオリティが大切ですが、本作の映像はハリウッド大作にも劣らない映像美です。

この映像美がなければ本作の抒情的なストーリーも生かせなかったでしょう。

アンドロイドを演じるのはアメリカのポルノ女優

アンドロイド「ニマーニ1345」を演じるのはアメリカのポルノ女優のストーヤ。

某有名ポルノサイトで彼女の姿を確認することができます。

かなりの美人でスタイルも抜群ですが、バストが小ぶり。でも知的で官能的なアンドロイドという設定なら納得の人選ですね。

本作の評価が低いのはなぜ?

本作を鑑賞するにあって、映画comなどのレビューサイトをチェックしましたが、★2つ以下とかが多く、期待外れという低評価なコメントが多かったです。

私見ですが、有名ポルノ女優ストーヤ主演ということで、もっと激しい濃厚なエロシーンを期待していたのか?

確かに中盤までは性行為シーンがたびたび登場します。しかし、映像美にこだわったのか、性行為シーンもとても美しく描かれています。ライトで照らし出されたふたりの裸体が美しい。

後半からは性行為シーンはいっさいなく、心理的な描写がメインとなっています。

そういったシーンを最後まで期待して観ているとダメです。本作はポルノ作品ではないのです。

2018年に開催されたベオグラード国際映画祭で長編映画賞など5部門を受賞。他ほかにも様々な映画祭に出品され、いくつかの賞を受賞したのも頷けます。

お勧め度:(3.2/5)

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SF映画洋画
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