『美女と液体人間』に続いて、東宝変身人間シリーズ3部作の第2作目『ガス人間第一号』を鑑賞しました。
過去に観たことがある作品です。
かつては地上放送で映画を流すのは結構あり、野球放送が雨で中止になった際の代替え放送は映画でした。
本多猪四郎&円谷英二の名コンビ監督作品
本作は1960年公開で、監督は1作目の『美女と液体人間』と同じ本多猪四郎、特技監督は円谷英二。二人は東宝特撮映画の名コンビなのです。
タイトル通り本作はSFホラーの部類に入る作品で、実験によりガス化できる身体になった土屋嘉男演じるガス人間がその変異を利用して銀行の金庫に忍び込み大金を盗む。
その動機が恋い焦がれた日本舞踊の若い家元・藤千代の公演資金のためという情愛要素も十分な話になっていて、怪奇&情愛に日本的な要素が織り込まれた本作はアメリカでも大ヒットしたそうです。
主演は三橋達也、ヒロインは八千草薫
事件を追う主人公の刑事を三橋達也が演じているのすが、今の若い人には三橋達也って言ってもわからないでしょうね。
彼は当時の二枚目スターで、数々の名作に出演している日本の代表的な男優です。
本作で特に注目したいのが、ヒロインを演じている八千草薫。
全編を通して彼女の美貌が映し出され、それを観るだけでも価値がある作品です。
平成が終わるまで映画、テレビドラマで活躍されていましたが、とても残念なことではありますが、2019年10月24日に膵臓癌でお亡くなりになりました。
アナログ特殊撮影が必見
変身人間シリーズは円谷英二の特殊撮影がキモ。
ガス人間が人間からガス化していくシーンは現在のようなCGではなく、ドライアイスとゴム人形を駆使した本当の特殊技術の撮影です。
BGMにも注目
本作で流れるBGMはのちに「ウルトラQ」「ウルトラマン」の中でも流用されています。
「ウルトラQ」を観たことがある人なら、あっと思うことでしょう。
本作はしっかりした情愛ドラマの土台の中の上にSFホラーを取り入れた日本ホラー作品の傑作です。
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