あの人にもう一度会いたい~亡くなった人との再会をテーマにした3つの作品

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家族や友人など親しい人を亡くしたときの悲しみは耐え難いもの。もう一度会いたいと誰もが願うことでしょう。しかし、現実の世界では失った人に会うことができませんよね。

映画ならそれができる。今回は亡くなった人と再会することをテーマにした作品を紹介していきましょう。

『ツナグ』(2012年)


ツナグ
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死者との面会を仲介をする使者(ツナグ)

直木賞作家・辻村深月が2011年に吉川英治文学賞を受賞した連作短編小説を原作とした本作。

祖母から死者との面会を仲介をする使者(ツナグ)能力を引き継ごうとする主人公・渋谷歩美を松坂桃李が演じます。

ツナグの能力はその家に代々受け継がれてきた一子相伝の能力で、歩美は樹木希林演じる祖母・アイ子からツナグの能力を受け継ぐため様々な依頼人と面会していきます。

亡き母親から不動産名義書のありかを聞き出そうとする中年男、親友を殺したと思い込んでいる女子高校生、失踪した恋人を探す会社員の男。

歩美は死者との面会を通じて、親子愛、友愛、恋愛の深さを知ることになります。

死者との面会のルール

  • 1人の依頼人が死者と会えるのは一生のうち1回だけ。死者から会いたくないと断られた場合は1回としてカウントされません。それが当日であっても面会が実現していなければカウントされない。
  • 死者が生きている人と面会できるのも1回限り。死者から面会が依頼できないので、ある生者に会ってしまうと、本当に会いたかった生者とは二度と会えなくなります。そのため死者は生者からの依頼には慎重に判断しないといけないです。
  • 面会は生きている間に1回、死んでから1回できることになっています。

亡くなった人と交信するための小道具青銅の鏡

ツナグが死者と交信するには青銅でできた鏡を使用します。鏡で死者を呼び出し、生者との面会の交渉を行います。

青銅なんてとても歴史を感じますね。ツナグが古来から受け継がれてきたということがわかります。

ツナグの能力を引き継ぐときはこの鏡と契約を結びます。引き継ぐ人が契約を結ぶと、前の人はツナグの能力を失います。つまりツナグの能力者はこの世に一人だけなんですね。

鏡の所有者以外の人が鏡を覗き見ると、その人は命を落とします。さらに覗いた人だけでなく、鏡の所有者であるツナグの能力者も責任を負い命を落とすことになるのです。

このシビアな設定は本作後半で描写される歩美の両親の死因と繋がります。

佐藤直紀作曲による心を打つ主題曲

本作の感動シーンで流れる主題曲を作曲したのは佐藤直紀。

2005年第29回日本アカデミー賞で『ALWAYS 三丁目の夕日』の主題曲で最優秀音楽賞を受賞。その後も2007年『ALWAYS 続・三丁目の夕日』、2014年『永遠の0』、2016年『海賊とよばれた男』、2021年『罪の声』で同賞の優秀音楽賞を受賞しています。

2021年4月23日、6月4日に公開される『るろうに剣心 最終章 The Final / The Beginning』の音楽も担当しています。

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お勧め度:(3.8/5)

『いま、会いにゆきます』(2004年)


いま、会いにゆきます
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雨の季節に亡くなった妻が突然戻ってくる

市川拓司が2003年に発表した小説『いま、会いにゆきます』が原作。

亡くなった妻が1年後の雨の季節(梅雨の時期)に戻ってくるという斬新な設定が本作の特徴。

妻・澪の役を竹内結子が演じています。

生前「1年たったら、雨の季節に又戻ってくるから」と言い残していた彼女。半信半疑で待っていた中村獅童演じる夫・巧。

言葉通り、1年後の梅雨の季節に突然現れた彼女に喜ぶ彼と息子・佑司でしたが、彼女は生前の記憶をすべて失っているというところが本作のミソ。

再開した3人の生活はなんかぎこちないけど、記憶がないことで、夫が妻に聞かせる二人の馴れ初めシーンがとてもいいんですよね。

梅雨の間だけの生活

ある日、澪は生前綴っていた自分の日記を見つけ、真実を知ることになります。

自分がこの世にいられるのは梅雨の間だけと知った彼女は、自分がいなくなった後の巧と佑司のために手筈を整えようと行動を始めます。

日記で語られる謎解き

澪が去ったあと、巧が彼女の日記を読むシーンで本作の謎が解き明かされ、彼女の蘇りの原因の意外性に驚かせられます。

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お勧め度:(3.6/5)

『異人たちとの夏』(1988年)


異人たちとの夏
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亡くなった父母と過ごすひと夏の体験を描くホラー

人気脚本家の山田太一が1987年に発表した同名の小説を大林宜彦が映像化。

ファンタジーの色合いが濃かった前二作とはジャンルが異なり、本作はホラー作品となります。

妻子と別れ、マンションで一人暮らしている風間杜夫演じる人気脚本家・原田英雄の部屋に階下に住む名取裕子演じるケイが飲みかけのシャンパンを手に携えて訪ねてきます。仕事で疲れていた英雄は冷たく追い返します。

数日後、英雄は子供の頃過ごした浅草の街で12歳の時に交通事故で亡くした片岡鶴太郎、秋吉久美子演じる両親と再会。その後も彼らが住むアパートに足繁く通い、交流を深めます。

同時にケイとも交流を深め、男と女の関係になった英雄。しかし、彼は徐々に精気を失っていくのです。

ケイに両親のことを話した英雄は、彼女から死んだ両親と会うことで精気が失われていくと忠告されます。

英雄が衰弱していく姿を心配した永島敏行演じる友人・間宮が彼の部屋を訪ねた際、マンションの管理人からケイが数か月前に凄惨な自殺をしたことを聞きます。

間宮が英雄をケイの部屋で発見したとき、英雄はケイにより命を吸い取られる寸前であり、本当の姿を見られたケイは壮絶な叫び声を上げ、あの世へ立ち去っていくのでした。

異人たちとは死者のこと

冒頭でシャンパンを携えて英雄の元を訪ねたケイはすでに死んでいて、彼女に魅入られた彼はその時点で死に態状態となり、あの世とこの世の境まで足を踏み入れてしまったのでしょう。亡くなった両親との再会もそれが原因で、仕事で精神的に追い詰められた英雄を心配し、出てきたものと思います。

タイトルになっている「異人たち」とは異界の人たちということで、死者たちのことを表しています。

悪霊に魅入られた壮年の男のひと夏の体験を映像化した本作は、ファンタジックで怖い和製ホラーの傑作です。

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お勧め度:(3.5/5)

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