日本で怪獣が初めて登場したのは1954年に公開された『ゴジラ』です。このあと1955年に『ゴジラの逆襲』が公開され、ゴジラの対戦相手としてアンギラスが登場。続いて1956年に公開されたのが『空の大怪獣ラドン』で、地上に続き空からも怪獣が人間を襲う構図が出来上がりました。
1966年にテレビ放送で『ウルトラQ』『マグマ大使』『ウルトラマン』が開始されると、世は空前の怪獣ブームとなり、ウルトラマン、マグマ大使の巨大ヒーローが人間に危害を加える怪獣を倒す様子は子供たちの心を躍らせました。
巨大ヒーローに倒された怪獣はその後どう処分されたのか?
でも倒された怪獣はそのあとどうなったのか?誰が後片付けをしたのか?気になった方も多かったのではないかと思います。僕もそうでした。
そんな思いを映画化したのが2022年2月4日に公開された『大怪獣のあとしまつ』です。
’22/12/28からAmazonPrimeで見放題配信開始
2022年12月28日からAmazonPrimeVideoで見放題配信が開始されました。
人類を未曽有の恐怖に陥れた巨大怪獣がある日突然死亡。残された巨大な死骸は徐々に腐敗し、有毒なガスで膨張していく。このままでは大爆発を起こし、都市は致命的な損害を被ることに。
本作は死骸から発する有毒ガスとそこから派生する大爆発をいかに阻止するか、を描いたサスペンスSF作品です。
大怪獣はシン・ゴジラより大きい
本作に登場する大怪獣の大きさは全長(頭から尻尾まで)380メートル、全高(つま先から胴体まで)が155メートルと超巨大。
シン・ゴジラの全長333メートル、 全高 が118.5メートルですから日本の怪獣の中で最大規模ということになります。
ちなみにハリウッド作品の『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)に登場したゴジラが 全高 119.8メートルですから、本作の大怪獣がいかに巨大なのかがわかります。
出演陣が豪華
ふざけたような内容の割には出演陣が豪華で、主演がHey!Say!JUMPの山田涼介と土屋太鳳。脇を固めるのが、現時点で発表されているだけでも濱田岳、オダギリジョー、西田敏行など主役級の俳優陣。
山田涼介が演じるのは特務隊員の帯刀アラタ。
土屋太鳳が演じるのは環境大臣秘書で実はアラタの元恋人。
そして濱田岳が演じるのが総理秘書官で、さらにユキノの夫という設定。主人公 帯刀アラタと複雑な因縁があります。
オダギリジョーはブルースという名の爆破処理のプロ。元特務隊員ということもあり現役隊員のアラタと一悶着があるものの、なんとか和解し、大怪獣の後始末に参加します。
西田敏行は優柔不断な内閣総理大臣を演じ、取り巻きの大臣たちをふせえり、六角精児、岩松了らが個性豊かに演じています。
他にも豪快俳優陣が共演し、持ち味の個性豊かな演技を披露しています。
評判は芳しくないものの見方を変えれば面白い作品
残念ながらネットでの評判は芳しくなく、映画.comの平均評価も★ふたつ半の2.4ポイント。プロライターの評価4.0と高評価なのに対し、一般のユーザーたちの評価は0~2.5止まり(中には高評価もあり)で、かなり低い低評価ポイントが高評価を上回り平均を押し下げている状況です。
確かにシリアスなSF作品として観るなら、コメディライクな出演陣の演技は目障りかもしれません。ただし、本作はSF怪獣ものにある疑問を風刺したコメディ作品であり、シリアス演技の山田涼介、土屋太鳳、濱田岳らに対して、西田敏行、ふせえり、六角精児、岩松了らのコメディ演技の対比が絶妙であり、僕は好印象で鑑賞できました。
要は観方次第ということだと思います。
繰り返し述べますが、本作はシリアスSF作品ではなく、風刺コメディ作品なのです。
▼オフシャルサイト
コメント