U-NEXTで観るカルトホラーの魅力~「バスケットケース」「悪魔の赤ちゃん」

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ホラー映画には、観客をただ怖がらせるだけでなく、奇抜な発想や社会へのメッセージを込めて深い印象を残す作品が存在します。その中でも、1982年に公開された「バスケットケース」と、1974年の「悪魔の赤ちゃん」は、低予算ながらも独自の世界観でカルト的な人気を博した傑作として知られています。このブログでは、両作品のあらすじや特徴、製作背景、そしてそれぞれが映し出す時代の空気感について詳しく掘り下げてみます。

両作品は2025年2月時点でU-NEXTで見放題鑑賞できます。


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「バスケットケース」(1982年):異形の兄弟愛と復讐劇

Basket Case | Official Trailer | 4K

「バスケットケース」は、アメリカのホラー映画監督フランク・ヘネンロッターのデビュー作で、わずか35,000ドルという低予算で製作されました。物語の主人公は、ドゥエイン・ブラッドリー(ケヴィン・ヴァン・ヘンテンリック)。彼はニューヨークの42番街にある安ホテルに、大きな籐製のバスケットを抱えてやって来ます。その中には、彼の結合双生児の兄ベリアルが隠されており、二人はかつて望まぬ手術で引き離された過去を持っています。ベリアルは肉塊のような奇形の姿で、常人には理解しがたい存在ですが、ドゥエインにとっては大切な家族。父親がベリアルを嫌い、医師たちに分離手術を強制させた結果、ベリアルはゴミ袋に捨てられ、ドゥエインが密かに救い出して育ててきたのです。

映画の中心は、兄弟が手術に関わった医師たちへの復讐劇です。ドゥエインがバスケットを抱えて街を歩き、ターゲットの医師を一人ずつ訪ね、ベリアルがその小さな体で驚異的な力と残忍さで殺害していく展開は、ショッキングでありながらどこかユーモラスでもあります。例えば、医師ニードルマンがオフィスで惨殺されるシーンや、獣医のクッターが顔にメスを刺されて死ぬ場面は、チープな特殊効果と相まって独特の味わいを醸し出しています。しかし、物語が進むにつれ、ドゥエインの恋愛やベリアルの嫉妬が絡み合い、兄弟の絆と対立が描かれ、最後はホテルのネオンサイン上で争った末に二人とも命を落とす悲劇的な結末を迎えます。

この映画の魅力は、低予算ならではの手作り感と、奇抜な設定を真剣に描く姿勢にあります。16ミリフィルムで撮影され、後に35ミリに引き伸ばされた映像は暗く粗いものの、それが逆に不気味な雰囲気を増幅。1980年代のVHS普及とともにカルト映画としての地位を確立し、続編「バスケットケース2」(1990年)と「バスケットケース3」(1991年)も製作されました。特に、タイムズスクエアの怪しげな雰囲気を活かしたロケーションは、当時のニューヨークの猥雑さを象徴しており、映画に独特のリアリティを与えています。

「悪魔の赤ちゃん」(1974年):日常に潜む恐怖と怪物性

It’s Alive (1974) ORIGINAL TRAILER [HD 1080p]

一方、「悪魔の赤ちゃん」はラリー・コーエン監督による1974年のホラー映画で、こちらも低予算ながら大きな話題を呼んだ作品です。物語は、ロサンゼルスに住む平凡な夫婦フランク(ジョン・ライアン)とレノール(シャロン・ファレル)が第二子を授かる場面から始まります。しかし、分娩室で生まれたのは人間の赤ちゃんではなく、鋭い牙と爪を持ち、生まれながらにして殺戮本能を備えた異形の生物でした。この「赤ちゃん」は出産に立ち会った医師や看護師を惨殺し、逃亡。街中で次々と殺人を繰り返し、ロサンゼルス全体を恐怖に陥れます。

警察は当初、赤ちゃんが犯人だとは信じられませんでしたが、被害者の体に残された鋭い爪痕や噛み跡から、異様な存在を認めざるを得なくなります。フランクは妻の精神的なショックを心配しつつも、事態の収拾に奔走。一方、レノールは奇妙な母性を感じ始め、怪物となった我が子を拒絶しきれません。最終的に、赤ちゃんは保育園に追い詰められますが、警官を殺して逃げ出し、その行方は不明のまま。映画は不穏な余韻を残して終幕します。

「悪魔の赤ちゃん」の特徴は、日常的な家族の幸せが一瞬にして崩壊する恐怖にあります。特殊効果を担当したリック・ベイカーが作り上げた赤ちゃんのデザインは、不気味さとリアルさを兼ね備え、観客に強烈な印象を与えました。また、音楽をバーナード・ハーマンが担当し、サスペンスフルな雰囲気を高めています。この映画もまた続編「生きている!再び」(1978年)や「悪魔の赤ちゃん3」(1987年)が作られ、2008年にはリメイク版も登場するなど、長く愛されるシリーズとなりました。

共通点と相違点:カルトホラーのDNA

「バスケットケース」と「悪魔の赤ちゃん」には、いくつかの共通点があります。まず、どちらも低予算で製作されながら、奇抜なクリーチャーと人間ドラマを融合させた点です。ベリアルも悪魔の赤ちゃんも、人間と怪物の中間的な存在として描かれ、単なる恐怖の対象ではなく感情や動機を持つキャラクターとして扱われています。また、両作品とも家族や親子関係を軸に物語が展開し、異常な状況下での愛情や葛藤を描くことで、ホラーに深みを与えています。

しかし、相違点も顕著です。「バスケットケース」は復讐という明確な目的を持ったストーリーであり、ユーモアやB級映画らしい軽さが魅力。一方、「悪魔の赤ちゃん」は原因不明の恐怖と社会的な混乱に焦点を当て、よりシリアスで不条理なトーンを保っています。時代背景も異なり、1974年の「悪魔の赤ちゃん」はベトナム戦争後の不安定なアメリカ社会を反映しているとも解釈でき、1982年の「バスケットケース」は経済的な繁栄と退廃が混在する80年代のニューヨークを舞台にしています。

時代を超えた魅力と現代への影響

両作品がカルト映画として評価される理由は、単に怖いだけでなく、観客に考えさせる要素があるからです。「バスケットケース」は結合双生児という実在する現象を題材に、人間の差別意識や家族愛に切り込みます。一方、「悪魔の赤ちゃん」は科学や医療への盲信に対する警告とも取れ、当時の薬害問題(サリドマイド事件など)を連想させます。これらのテーマは現代でも共感を呼び、倫理やアイデンティティを問う作品として再評価されています。

さらに、両作品は後のホラー映画に大きな影響を与えました。「バスケットケース」のチープで独創的なスタイルは、インディペンデント映画の可能性を示し、「悪魔の赤ちゃん」は「チャイルド・プレイ」のチャッキーや「ジーパーズ・クリーパーズ」のような怪物キャラクターの原型とも言えるでしょう。2017年には「バスケットケース」がニューヨーク近代美術館(MoMA)のコレクションに選ばれ、芸術的価値も認められるに至りました。

結論:B級ホラーの底力

「バスケットケース」と「悪魔の赤ちゃん」は、潤沢な資金や大規模な宣伝がなくても、アイデアと情熱で観客を惹きつけることができることを証明した作品です。奇妙で不気味、時に笑えるその世界観は、B級ホラーの真髄とも言えるでしょう。現代の洗練された映像技術とは異なる、手作り感溢れる恐怖と愛情が詰まったこれらの映画は、今見ても新鮮で、ホラー映画の多様性を感じさせてくれます。興味を持った方は、ぜひU-NEXTでその独特の雰囲気を味わってみてください。そこには、時代を超えて響く人間の闇と光が待っています。

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