「音を立てたら即死亡」というキャチフレーズで話題を呼んだエミリー・ブラント主演の『クワイエット・プレイス』
続編となる『クワイエット・プレイス PARTⅡ』の予告編がYoutube Paramount Pictures公式チャンネルで公開されました。
当初は2020年3月15日に全米公開される予定でしたが、全世界に蔓延したコロナウィルス感染症の影響で順延されることになりました。
続篇タイトルは『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』
続篇のタイトルは『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』となりました。
日本での劇場公開日は2021年6月18日。
本国アメリカでは2021年5月28日に劇場公開され、公開初週末に4754万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場1位となっています。
『クワイエット・プレイス』ってどんな作品?
前作『クワイエット・プレイス』は2018年9月28日に日本劇場公開。本国アメリカでは週末興行ランキング1位(参照:Box Office Mojo)で最終的には1.8億ドル(≒203億円)興収で好成績だったようですが、日本では8億62百万で2018年度の日本国内興行収入ランキングで50位内には入らなかったようです。このジャンルで8億62百万という数字が良いのか悪いのかよくわかりません。
僕は本作を劇場では鑑賞できていなくて、2020年年始にWOWOWの録画映像で初めて鑑賞しました。
テレビやネットの予告映像で本作のことは公開前から知っていましたが、鑑賞するまではホラー作品だと思っていました。
鑑賞後、本作はホラーのひとつではあるが、登場する怪物は宇宙生命体であることから、SFの部類に属するホラー、つまりSFホラーなんでしょうね。(ホラーとSFホラーがどう違うのかって聞かれてもよくわかりません)
前作を解説することから本記事はネタバレを含みますのでご注意。
一家に得体の知れない怪物が襲ってくる
冒頭から荒廃した部屋のシーンが画面に現れ、すでに何か只ならぬ事態が発生している状況から物語が始まります。
登場するのはエミリー・ブラント演じる母親イヴリン 、その旦那リーとリーガン、マーカス、ボーの3人の子供たちの構成のアボット一家。そして、イヴリンは妊娠中でまもなく臨月を迎えるところです。
アボット一家が済んでいるのは周囲を農園で囲まれた郊外の一軒家。
物語の最初から隔絶された場所が舞台の主な登場人物も一家のみという、つまりはすでに人類が何かの異変でいなくなった状況というのが見て取れます。
音を立てられない=会話ができない
何故かアボット一家は言葉を交わさず、手話で意思疎通を行っています。その理由が判明するのは衝撃的なシーンから。
家族で食料調達の帰りに、一番下の息子ボーが手にしていたシャトルの模型から電子音が鳴ってしまいます。電池を抜いたはずの模型から電子音が。
電子音を聴きつけた怪物が突如森の中から現れ、ボーに襲い掛かります。
一家が音を立てない生活をしている理由は怪物から身を守るためだったのです。
残酷なシーンはあえて隠す
怪物がボーを襲うシーンは木の幹で隠されて表現されています。のちにも老人が襲われるシーンが登場しますが、このシーンもうまくカモフラージュされています。本作では残酷なシーンは極力避けているように思えます。このことからホラーとしてではなく、家族愛をテーマとしたい監督の意図が感じられます。
怪物の正体は?
前半は怪物の姿はチラッと見せるだけでしたが、中盤以降はそのグロテスクな全身が露になってきます。
その姿は胴体手足は細長く、全身真っ黒で、顔には目鼻がなく、裂けた口からはするどい牙がむき出しになっています。興奮すると頭部が四方に割れて、中の赤い皮膚が垣間見えます。
目鼻がないということは視覚と嗅覚がないということ。そのかわり聴覚が異常に発達しているのです。怪物は音を感じて獲物を襲うのです。
とても地球上の生物とは思えない姿。物語上では宇宙から来た生物と説明しているシーンはないと思いますが、この怪物の容姿から判断できるのは宇宙から来た生物ということしかないですね。
見所は産気づいたヒロインの出産シーン
本作の恐怖の頂点というべき見どころは、臨月を迎えたヒロインがバスタブに籠って出産するシーンでしょう。
出産といえば尋常でない痛みで大声が出てしまいます。しかし、大声を出せば怪物が襲ってきます。思わず無事に産んでくれと願いたくなるシーンで、エミリー・ブラントが圧巻の演技。
長女が見つけた怪物の弱点 しかし・・・
怪物に襲われた長女リーガンと長男マーカスでしたが、父親リーが犠牲になることで、間一髪のところで助かります。
リーガンはリーが作ってくれた補聴器から出る高周波音を怪物が嫌うことを発見し、襲い来る怪物を倒すことに成功するのですが、イヴリンが放った銃弾の銃声で周囲に潜んでいた怪物たちが一気に一家のいる家に集まってきます。
ここからクライマックスの大格闘シーンと思いきや、なんとこのシーンでエンドロールが始まってしまったのです。
エミリー・ブラントと夫ジョン・クラシンスキーが夫婦で出演
本作はエミリー・ブラントが主演ですが、夫を演じているジョン・クラシンスキーは彼女の実際の夫で、本作の監督でもあります。
ジョン・クラシンスキーが本作の脚本を執筆した際に、エミリー・ブラントが監督をするように勧め、彼女自身も脚本が気に入って出演を希望したのだとか。
アマゾンPrimeビデオで見放題鑑賞できます
『クワイエット・プレイス』は‘21年6月23日現在、アマゾンPrimeビデオで見放題鑑賞できます。

クワイエット・プレイス (字幕版)
続編『破られた沈黙』で家族はどうなる?
続篇となる『クワイエット・プレイス 破られた沈黙』では冒頭で怪物の発生起源が明かされます。
平穏でのどかな街の上空に突然火の玉が流れると同時に怪物が地上に出現し、次々と街中の人々を襲い始めます。
前作で謎が多かった怪物の正体でしたが、続編で怪物たちが現れた初日の様子が詳細に表現されています。
そして、場面が変わり、前作の続きから家族のサバイバルストーリーが始まります。
大黒柱である父親を失った家族と生き残った人々との交流と、前作で怪物の弱点を知った娘リーガンの活躍が描かれます。