職人の世界でイメージするのは、その道を究めた師匠の下で厳しい修行をしなければならないということ。半端な気持ちでは続かないし、一人前になるまでにかなり時間が掛かる。
どちらかというと男性の世界で、女性が入り込むには敷居が高い?
そんなイメージを払拭するような作品を3つ紹介します。
ハルカの陶~備前焼
原作:ディスク・ふらい、作画:西崎泰正で『週刊漫画TIMES』に2011年1月7/14日合併号から2012年2月10日号に連載されたコミックを元に、末次成人監督が奈緒を主演に実写映画化した作品です。
ちなみにタイトルの陶は「すえ」と読みます。
OLとして日々を何の目標もなく過ごす奈緒演じる小山はるかが、上司に連れられたデパートで開催された陶芸展で備前焼の赤牡丹大皿を目にして感銘、その場で上司に退職を申し出て岡山県和気郡備前町にいる大皿の作者若竹修に弟子入りを志願します。
最初は弟子入りを拒んだ若竹ですが、彼の師匠である人間国宝の陶人の計らいでなんとか受け入れられます。
「土練り3年、ロクロ6年」と言われる備前焼に苦戦しながら挑戦するはるかの姿が描かれます。
見どころは主人公はるかを演じる奈緒の演技。彼女の爽やかな笑顔に心からエールを送りたくなります。

ハルカの陶
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恋のしずく~杜氏
AKB48のアイドルから本格的に女優に転身した川栄李奈の初主演作品です。
また急逝した大杉漣の最後の出演映画公開作品でもあります。
東京にある農業大学で醸造学を学び、ワインソムリエを目指す主人公が、単位取得のための課題で酒どころ東広島市西条の老舗酒蔵で実習をすることに。
日本酒が苦手な彼女でしたが、日本酒をやさしく指南する大杉連演じる蔵元、やる気のない蔵元の息子、酒米農家の蔵人、厳格な杜氏たちに囲まれて修行していくうちに日本酒の魅力に気付かされる青春ラブストーリーです。
役者としての川栄李奈を始めて観たのはNHK朝ドラ『とと姉ちゃん』。それから様々なドラマ、映画で出演回数を増やしてきた彼女。女優としての存在感も出てきて、これから楽しみな女優のひとりになりました。

恋のしずく
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わたしは光をにぎっている~銭湯
タイトルは明治から大正期の詩人である山村暮鳥の詩「自分は光をにぎつてゐる」から取られています。
主演は松本穂香。祖母と長野の野尻湖畔で民宿を切り盛りしていたのですが、祖母が入院したのをきっかけに、東京で銭湯を営む父親の親友の元に。
しかし、銭湯は区画整理のために閉店することになり、彼女は思い切った行動に出ます。
大きな出来事が起こるストーリー展開ではないですが、都会の片隅で繰り広げられる人々の交流に何か安らぎを感じる作品です。
松本穂香はNHK朝ドラ『ひよっこ』で主人公の同僚青天目澄子としてコミカルな演技を見せた彼女。ほのぼのとしたその表情が僕はとても好きです。
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