『パラサイト 半地下の家族』を観たらぜひ観て欲しい、ポン・ジュノ監督過去3作品

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2020年アカデミー賞の4部門(作品賞、監督賞、脚本賞、国際映画賞)を受賞したポン・ジュノ監督作『パラサイト 半地下の家族』はご覧になりましたか?

ポン・ジュノ監督の長編デビューは2000年の『吠える犬は噛まない』で、3年後の2003年に公開した『殺人の追憶』が韓国内で大ヒット。韓国のアカデミー賞と称される大鐘賞で最優秀作品賞・最優秀監督賞を受賞しています。

2006年にはSFモンスター作品となる『グエムル-漢江の怪物-』を公開。本作で青龍賞最優秀作品賞、大鐘賞最優秀監督賞、アジア・フィルム・アワード最優秀作品賞など数々の賞を受賞。本作で韓国を代表する若手監督として名を知られるようになりました。

2009年公開の『母なる証明』は第62回カンヌ国際映画祭のある視点部門で上映され、韓国内では 青龍賞最優秀作品賞を受賞しています。

僕はポン・ジュノ監督作は『グエムル -漢江の怪物- 』しか鑑賞したことがありませんでしたが、『パラサイト 半地下の家族』を鑑賞したあと、 以前WOWOWで放送されダビングし保管したままになっていた『殺人の追憶』『母なる証明』を鑑賞しました。

録画したのは2010年前後でしたので、10年くらい放置していたのですね。もったいないことです。

では『パラサイト 半地下の家族 』以前のポン・ジュノ監督お勧め3作品を紹介します。ネタバレを含みますので注意。

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『殺人の追憶』 (2003年)

1980年代後半の韓国がまだ軍事政権下の時に実際に起こった未解決連続殺人事件を元にしたサスペンス作品です。

農道脇の用水路で若い女性の全裸死体が発見されるシーンから始まる本作は、誤認逮捕を繰り返しながら、真犯人へとたどり着いていきます。

ソン・ガンホとキム・サンギョンが演じる対照的な刑事像

主役パク刑事を演じるのはソン・ガンホ。強引な捜査で捕らえた容疑者を半ば強制的に自白させていきます。

ソン・ガンホのライバルのソ刑事を演じるのがキム・サンギョン。パクが逮捕した容疑者のアリバイを見つけ出し、誤認逮捕を指摘する冷静沈着な刑事。

対照的なふたりの刑事がお互いの捜査方法にぶつかり合い、やがて理解し合える間柄になっていく過程に感動します。

真犯人は捕まえられなかったが、驚愕のラストに背筋が凍る

真犯人と確実視された三人目の容疑者もDNA検査の結果シロと判明し、結局、迷宮入りとなった本事件。17年後、警察を退職して会社員となり、家族四人の幸せな家庭も持ったパクが、最初に事件が起こった農道脇の用水路に立ち寄ると、一人の少女から、数日前にも同じ年代の男がこの場所に立ち寄り、「自分が昔ここでしたことを思い出して久しぶりに来てみた」と告げたということを聴きます。まだ真犯人がこの土地で生きているということを知り、パクは驚愕します。

なんとも恐ろしいラストシーンではありませんか。

モデルになった連続殺人事件の真犯人が2019年に判明

本作品のモデルとなった華城連続殺人事件の真犯人は本作公開の16年後の2019年9月に判明しました。1994年に起こした別の殺人事件で服役中の男で、最新DNA検査で判明したとのこと。ただし、一連の連続殺人事件は2006年に時効を迎えたために罪は問えないということです。

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殺人の追憶(字幕版)

お勧め度:(3.8/5)

『グエムル-漢江の怪物-』(2006年)

漢江は韓国首都ソウルを流れる大河。遺体検視室から汚染物質(ホルマリン)が大量に廃棄され、生息していた水棲生物(たぶん大ナマズ)が巨大な怪物へ突然変異を起こし、人間を襲い始めるというストーリー。

怪物に奪われた娘を救い出そうと奮闘するソン・ガンホ演じる主人公およびその家族と謎の怪物との闘いがコミカルで、怪物だけではなく、警察からも追われるというドタバタ劇もあり、最後まで飽きることなく観られます。

まだCG技術が進んでいない頃でしたので、現在の技術からすれば怪物の映像は少しショボいですが、ソン・ガンホを始めとした俳優陣の演技力と息もつけない巧妙なストーリー運びが作品全体のクォリティを上げています。

家族愛がテーマなのかな?

本作は怪物が人間を襲うホラー作品ですが、奪われた娘を助けようとする父親、彼の親、兄弟が協力し合う家族愛が全編を通して表現されています。

最後に娘を怪物の身体の中から取り出したとき、すでに娘は息絶えていましたが、彼女が命がけで守った孤児の男の子をソン・ガンホ演じる父親は娘の代わりとして育ていくのです。

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グエムル-漢江の怪物-(字幕版)

お勧め度:(3.5/5)

『母なる証明』(2009年)

韓国で国民の母と呼ばれるキム・ヘジャと韓流ブームの立役者の一人であるウォンビンが母子を演じた作品。ウォンビンは知的障害がある息子を演じています。

息子の無実を証明するために奮闘する母

貧しいながらも女手一つで育ててきた一人息子。ある日、少女が頭を割られて死亡しているのが見つかり、近くに息子の名前が書かれたゴルフボールが見つかったことで、息子が逮捕されてしまいます。息子の無実を信じる母親は警察に再捜査を訴えますが、聞き入れてもらえず、彼女は単独で真犯人を探し始めるのです。

ラスト近くで視聴者も欺かれたと感じる演出の旨さ

息子の証言から、犯人が廃品回収の初老男だと知った母親はその男の家を訪ねます。しかし、男から語られた事件の真相を聴いたとき、彼女は本能的に男を殺害してしまいます。

このシーンまでは息子は犯人ではなく、誤認逮捕を思わせる展開で話が進みます。僕もすっかりそう思っていました。なぜなら彼は少女の後をつけ回したけど、彼女が空家の中に逃げ入ったため、諦めて立ち去るというシーンを見せられたからです。

しかし、真犯人だと思った初老の男の証言は、息子が娘から言われた「バカ」という罵声に興奮し、大きな石を彼女に投げつけ、それが元で死んだということ。

殺害シーンを後から見せることで、意表を突かされてしまう。この展開は旨いですね。

ラストシーンでのポン・ジュノマジック

殺された少女に付着していた血液と別の容疑で捕まった青年のDNAが一致したことで、息子の容疑が解かれ、釈放されます。

息子のために目撃者を殺してしまった母親と少女を殺したことの記憶もない知的障害の息子。以前のような母子ふたりの生活が再び始まります。

母親が慰安旅行に向かうバスの待合場所で、息子が母親が殺人を犯した現場から持ち帰った彼女の針灸道具を「落としたらダメじゃないか」と告げながら手渡すシーンがなんとも言えない気持ちにさせられます。

ラストシーンのポン・ジュノマジック、本作でも心に刺さりました。

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母なる証明(字幕版)

お勧め度:(3.8/5)

まとめ

ポン・ジュノ監督作は(韓国内の)貧しい人々を主人公とし、貧富の格差を風刺した作品が多いですが、暗いテーマながらユーモアが感じられる作風で難しさを感じることがありません。

2時間を超える作品が多いですが、二転三転するストーリー、意表を突くラストで最後まで目が離せない作品ばかりです。

『パラサイト 半地下の家族』を面白いと感じたらなら、ポン・ジュノ監督の旧作もぜひ観てください。

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