アクション映画界のレジェンド、ジェイソン・ステイサム。彼の名前を聞けば、誰もがハードボイルドな雰囲気と圧倒的なアクションシーンを思い浮かべるでしょう。2024年に公開され、日本では2025年1月3日に劇場公開された最新作『ビーキーパー』は、彼の魅力が存分に発揮されたリベンジアクション映画です。この記事では、『ビーキーパー』を軸に、ステイサムの主演作の中から特におすすめの作品をピックアップして紹介します。彼のキャリアを振り返りながら、なぜ彼がアクションスターとして愛され続けるのか、その理由を探っていきましょう。
『ビーキーパー』:ステイサムの新たな代表作
『ビーキーパー』(原題:The Beekeeper)は、ジェイソン・ステイサムが主演を務め、デヴィッド・エアーが監督、カート・ウィマーが脚本を手掛けた2024年のアクションスリラー映画です。物語は、アメリカの片田舎で静かに養蜂家として暮らすアダム・クレイ(ステイサム)が主人公。彼はかつて「ビーキーパー」と呼ばれる秘密組織のエージェントだった過去を持ち、ある日、恩人である老婦人がフィッシング詐欺に遭い全財産を失った末に自殺してしまうことから、復讐の道を歩み始めます。
この映画の魅力は、ステイサムが演じるクレイの「静」と「動」のコントラストにあります。普段は穏やかに蜂を育て、自然と調和する男が、ひとたび怒りに火がつくと無慈悲な戦闘マシンへと変貌。詐欺組織を壊滅させていく過程で、ビルを爆破し、敵を次々と葬り去るその姿は、まさにステイサムらしい「無双感」を体現しています。共演にはジョシュ・ハッチャーソンやジェレミー・アイアンズといった実力派俳優が名を連ね、ストーリーに深みを与えています。
特に注目すべきは、ステイサムのアクションシーンのキレの良さ。拳銃、ナイフ、爆発物を使いこなし、敵を容赦なく叩きのめす姿は、観る者を圧倒します。さらに、養蜂家という設定が単なる職業ではなく、彼の信念や生き方を象徴するメタファーとして機能している点も見逃せません。蜂の巣を守るように社会の秩序を守り、害虫(詐欺師)を駆除するクレイの姿は、勧善懲悪のヒーロー像として心に残ります。『ビーキーパー』は、ステイサムのキャリアにおける新たなマイルストーンと言えるでしょう。
ステイサムのキャリアを築いた名作たち
ジェイソン・ステイサムは1967年7月26日生まれ、イギリス出身。元飛び込み選手という異色の経歴を持ち、1998年の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で俳優デビューを果たしました。以来、彼はアクション映画を中心に活躍し、そのタフで男らしい魅力で世界中のファンを魅了してきました。ここからは、『ビーキーパー』に通じる要素を持つ彼の主演作の中から、おすすめの5作品を紹介します。
1. 『トランスポーター』(2002)
ステイサムの名を一気に広めた作品が、リュック・ベッソン製作の『トランスポーター』です。この映画で彼は、どんな荷物でも時間厳守・秘密厳守で運ぶプロの運び屋、フランク・マーティンを演じました。シンプルながらも緊張感あふれるストーリーと、ステイサムの華麗なドライビングテクニックや格闘シーンが光る一本です。
『ビーキーパー』と共通するのは、孤独な男が己のルールに従って生き、必要とあらば圧倒的な力で敵を制する姿勢。フランクの冷静沈着な態度と、クレイの復讐に燃える情熱は対照的ですが、どちらもステイサムの「男らしさ」が際立つキャラクターです。シリーズ化され、『トランスポーター2』(2005)、『トランスポーター3 アンリミテッド』(2008)と続いたこの作品は、彼のアクションスターとしての地位を確立しました。
2. 『アドレナリン』(2006)
『アドレナリン』は、ステイサムが過激なアクションを繰り広げる異色作。殺し屋のチェブ・チェリオス(ステイサム)が、動き続けなければ死んでしまう毒を体内に注入され、ロサンゼルスの街を疾走しながら敵を倒していくというぶっ飛んだ設定が特徴です。
この映画の魅力は、ステイサムの「クレイジーさ」と「カッコよさ」が全開である点。『ビーキーパー』のクレイが復讐のために暴れまわる姿と似て、チェブもまた目的のために手段を選ばない無双ぶりを見せつけます。特に白バイに立ち乗りするシーンや、街中で繰り広げられるド派手なアクションは、ステイサムの身体能力の高さを証明しています。続編『アドレナリン:ハイ・ボルテージ』(2009)も同様のテンションで楽しめるので、合わせてチェックしてほしい一本です。
3. 『メカニック』(2011)
『メカニック』は、1972年のチャールズ・ブロンソン主演作のリメイクで、ステイサムが冷徹な暗殺者アーサー・ビショップを演じた作品。どんな殺しも事故に見せかけて遂行するプロフェッショナルが、親友の死をきっかけに復讐の道を歩むストーリーです。
『ビーキーパー』との共通点は、復讐というテーマと、主人公が持つ特殊なスキル。ビショップの暗殺技術とクレイの秘密組織仕込みの戦闘能力は、どちらもステイサムのクールで無駄のないアクションスタイルにマッチしています。緻密に計算されたアクションと、感情を抑えた演技が光る本作は、ステイサムの硬派な魅力が詰まった名作。2016年には続編『メカニック:ワールドミッション』も公開され、さらにスケールアップしたアクションが楽しめます。
4. 『PARKER/パーカー』(2013)
『PARKER/パーカー』は、ドナルド・E・ウェストレイクの小説を原作とした犯罪アクション映画。ステイサムが演じるパーカーは、裏切られた強盗犯が復讐を果たすために戦う男です。プロの泥棒としてのルールを持ちつつ、敵には容赦ない姿勢が特徴的。
この作品と『ビーキーパー』は、裏切りや恩義をきっかけに復讐に突き進む主人公像が重なります。パーカーのスマートな戦い方と、クレイの荒々しいアクションは異なるアプローチですが、どちらもステイサムの「正義感」と「タフネス」が感じられる点で共通しています。ジェニファー・ロペスとの共演も見どころで、アクションだけでなく人間ドラマとしても楽しめる一本です。
5. 『MEG ザ・モンスター』(2018)
ステイサムが巨大ザメと対決する海洋パニック映画『MEG ザ・モンスター』も外せません。深海探査チームのリーダー、ジョナス・テイラー(ステイサム)が、絶滅したはずの巨大ザメ・メガロドンと戦う姿を描いた作品です。
『ビーキーパー』でのクレイが詐欺組織という「害虫」を駆除するように、ジョナスは海の怪物に立ち向かうヒーローとして描かれています。ステイサムの勇敢さとユーモアが融合した演技は、彼の新たな一面を見せつつ、アクション俳優としての貫禄も感じさせるもの。2023年の続編『MEG2 ザ・モンスターズ』ではさらにスケールアップしたバトルが展開され、ファンにはたまらない仕上がりとなっています。
ステイサムの魅力とは?

これらの作品を通じて、ジェイソン・ステイサムの魅力がいくつか浮かび上がります。まず、彼の身体能力とアクションシーンの説得力。元アスリートとしてのバックグラウンドが活きた、無駄のない動きと迫力は、他のアクション俳優と一線を画します。次に、寡黙でクールなキャラクターに宿る人間味。『ビーキーパー』のクレイや『トランスポーター』のフランクに見られるように、感情を抑えつつも内に秘めた情熱が垣間見える演技が観客を引きつけます。
また、彼の作品には「勧善懲悪」のテーマが頻出します。悪を許さず、正義のために戦う姿は、現代社会の不条理に対するカタルシスを提供してくれるのです。『ビーキーパー』で詐欺組織を壊滅させる姿は、まさにその象徴。ステイサムは、観る者に爽快感と共感を与えるヒーロー像を体現し続けています。
まとめ:ステイサム映画でアクションの醍醐味を
『ビーキーパー』をきっかけに、ジェイソン・ステイサムの主演作を振り返ると、彼がアクション映画界で特別な存在である理由がよく分かります。『トランスポーター』でのブレイクから、『アドレナリン』の過激さ、『メカニック』の硬派な魅力、そして『MEG ザ・モンスター』のスケール感まで、彼のキャリアは多様性と一貫性を兼ね備えています。
もしあなたがアクション映画初心者なら、『ビーキーパー』はステイサムの魅力を存分に味わえる入門編として最適。すでにファンなら、彼の過去作を再見して、その進化と不変の魅力を再確認してみてください。2025年3月時点で、彼の次回作や『ビーキーパー2』の制作も発表されており、まだまだステイサムの活躍から目が離せません。劇場で、ストリーミングで、彼の怒涛のアクションをぜひ体感してください!
▼『ビーキーパー』は2025年3月30日現在、Amazon Prime Videoで見放題鑑賞できます。
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