大映が製作した時代劇とモンスターを融合した作品
『大魔神』は1966年(昭和41年)に当時の映画製作会社であった大映が製作したモンスター映画です。
モンスターが登場する作品にしては珍しく時代設定は戦国時代。
つまりモンスターが登場する時代劇です。
東宝はゴジラシリーズがヒットしていて、前年の40年にはゴジラシリーズ第六作目の『怪獣大戦争』が公開されていました。
大映にはもうひとつのモンスター映画『ガメラ』を1965年に公開していて、『ガメラ』が東京の撮影所で製作していたのに対して、『大魔神』は京都の撮影所で製作していました。
またこのモンスター作品2作は2本立て公開でしたから観る側はかなりお得感があったと思いますね。
巨人ゴレームがモデル
大魔神は鎧を着た巨人で、モデルはチェコスロバキアの巨人ゴーレム。
普段はハニワのような顔をした優しい神様として登場。しかし、迫害された主人公の願いを聞き入れると、優しい顔が一変、憤怒に満ちた恐ろしい顔になり暴れまわるのです。
3作品製作された大魔神シリーズ
『大魔神』シリーズはその後2作品製作され、同じ1966年に『大魔神怒る』『大魔神逆襲』が公開されています。
僕は劇場では観たことがなく、TVで放送されたものを鑑賞しています。
2016年にWOWOWでデジタルリマスター放送されたもので再び鑑賞することができました。
時代劇のメッカ京都で製作されただけあって、クォリティは抜群で、今でも十分鑑賞に堪えられます。
巨大な大魔神が悪徳領主の領地内を暴れまわる特撮は実物大の模型を使ったりして、かなりアナロク要素が強い特撮ですが、見応え十分で迫力があります。

ただひとつ難を言えば、大魔神のハニワ顔から憤怒の顔に変化する場面の処理。顔の位置がズレてしまっている。これを除けば、今でも十分通用する映像ですね。
『大魔神逆襲』は子供が主役、マグマ大使ガム役の二宮秀樹が出演
三部目の『大魔神逆襲』は子供が主役になっています。
主役を演じたのは当時のテレビ番組『マグマ大使』でガムを演じていた二宮秀樹。
本作出演のため4話分を欠席し、吉田次昭が代役を務めています。
当時、『マグマ大使』 は『ウルトラマン』と共に怪獣ブームを作った番組であり、僕も夢中で観ていました。
ガム役が途中で代わったことに違和感を覚えた記憶があります。
『大魔神逆襲』に出演のためというのはずっと後で知ったことです。
当時は病気で休んでいたという噂が飛んでいたような記憶があります。
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