頭部爆発シーンの元祖 ’80年代SFホラーの傑作『スキャナーズ』

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コロナ影響で、今年のゴールデンウィークは外出を自粛。新緑が美しいこの時期、例年なら京都の古刹を散策するのですが、今年は自宅で映画鑑賞です。この機会に時間が許す限りたくさん観たい。

新しい作品も観たいのですが、今回は40年ほど遡って、1981年に公開された『スキャナーズ』を鑑賞しました。

デヴィッド・クローネンバーグ監督作品

本作の監督はデヴィッド・クローネンバーグ。カナダ出身で、本作以外では『ヴィデオドローム』(1983年)、『デッドゾーン』(1983年)、『ザ・フライ』(1986年)、『戦慄の絆』(1988年)など。ホラー要素が詰まったSF作品が多く、彼の作品の熱狂的なファンが多いです。

『スキャナーズ』はデヴィッド・クローネンバーグの長編七作目で、彼の名を一躍有名にした作品となります。

僕は今までクローネンバーグ監督作品は『ザ・フライ』のみ観ています。ジェフ・ゴールドブラムが主演していた作品で、この作品で初めてジェフ・ゴールドブラムという役者を知りました。

スキャナーズとは

スキャナーズとはテレパシー能力を持つ超能力者の集団のことで、相手の心を読み取るばかりではなく、行動や身体機能を操れたりします。特に主人公キャメロン・ベイルと敵役ダリル・レボックは脳そのものを破壊してしまうほどの念動力パワーを持っているのです。

なぜスキャナーズは誕生したのか?

スキャナーズがなぜ特殊能力を持つに至ったのか?その謎はストーリーが進むうちに明らかになっていきます。

1940年代に妊婦用の催眠薬が開発され、その薬の副作用が胎児に影響を及ぼし、特殊能力を持つ新人類として誕生したのです。

同じ超能力ものとして、1963年にスタン・リーが考案した『X-メン』がありますが、『X-メン』と違うのは、『スキャナーズ』は人間が開発した薬の副作用で誕生したのに対し、『X-メン』は人為的な原因因子がない完全な突然変異で誕生したということ。

スキャナーズ兄弟の戦いを描く

ストーリーは自分の素性を知らずに要人警護組織に協力したキャメロン・ベイルとスキャーズを結集させ世界征服を企む破壊的スキャナーのダリル・レボックとの闘いを追い、ラストで二人が兄弟であることが明かされ、壮絶な戦いで幕を閉じます。

見どころはディック・スミスによる特殊メイク

本作の見どころはなんといっても、念動力によって頭部が爆破されるシーンでしょう。悪玉スキャナーズから念を送られた相手の顔面が血飛沫を飛ばしながら膨らみ始め、やがて風船が破裂するように頭部が爆発する。

この頭部爆発シーンは公開当時かなり話題になったシーンで、のちにアニメの『AKIRA』や『北斗の拳』にも影響を与えたようです。

特殊メイクを担当したのはディック・スミス。現在のようなCG技術が発達していない頃ですから、すべて手作業の特殊効果です。

オーバーラップ・アプライエンスというフォームラテックス製マスクを小さいパーツに加工してメイクしていく技術を使い、リアルな特殊効果を演出しました。

『小さな巨人』でのダスティン・ホフマ、『エクソシスト』でのリンダ・ブレア、マックス・フォン・シドー、『ゴッドファーザー』でのマーロン・ブランド、『タクシードライバー』でのロバート・デ・ニーロのメイクが有名で、『アマデウス』(1984年)での老サリエリの老けメイクで、第57回アカデミーメイクアップ賞を受賞しました。

彼の弟子にはアカデミー賞で7回メイクアップ賞を受賞したリック・ベイカーや『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017年)、『スキャンダル』(2019年)でアカデミー賞メーキャップ&ヘアスタイリング賞を受賞したカズ・ヒロがいます。


『スキャーズ』は40年前の作品で、現在の作品のような派手なCG効果もないですが、特殊メイクによる特撮効果は必見です。エスパーもの作品のはしりでもあり、SFホラー好きにはぜひ観ていただきたい作品です。

お勧め度:(3.3/5)

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