ウルトラシリーズと言えば、ウルトラマン、ウルトラセブン・・・そして、現在のウルトラマンR/Bに続く円谷プロの看板シリーズです。
初代ウルトラマンがテレビに登場したのが1966年。
ウルトラマンは姿を変えながらも52年間続いています。
人間の力では太刀打ちできない怪獣や宇宙人を強力なパワーでやっつける巨大ヒーロー。
初代ウルトラマンが登場した当時、僕らはテレビにくぎ付けになり、いつか自分もあんな巨大ヒーローになるんだと夢見ました。
アメリカンコミックのヒーローはスーパーマン、バッドマンのような等身大のヒーローで、巨大なヒーローは日本特有な姿です。
ウルトラマン以外でもマグマ大使、鉄人28号、ビッグXなどみな巨大。
そういえば怪獣というのも日本特有のビランですね。
ウルトラマンを製作するきっかけとなったウルトラシリーズ原点
「ウルトラマン」の製作の前に巨大ヒーローが登場しない怪獣映画「ウルトラQ」が製作されています。
内容はあるきっかけで怪獣が登場し、主人公3人を中心とした人間が英知を振り絞って退治していくという1話完結ドラマ。
当時アメリカでヒットしていた「アウター・リミッツ」「トワイライトゾーン」を模した内容です。
当初は大人向けの怪奇シリーズとして企画されたようですが、折からの怪獣ブームで子供も対象にした怪獣がメインに登場する路線へ変更されました。
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全28話、オリジナル怪獣が続々登場
TBS系列で1966年1月から7月までの約半年間、全28話が放送されました。
各回のタイトルと登場する怪獣は以下の通り。
話数 | タイトル | 登場怪獣・宇宙人 |
1 | ゴメスを倒せ! | 古代怪獣ゴメス、原始怪鳥リトラ |
2 | 五郎とゴロー | 巨大猿ゴロー |
3 | 宇宙からの贈りもの | 火星怪獣ナメゴン |
4 | マンモスフラワー | 巨大植物ジュラン |
5 | ペギラが来た! | 冷凍怪獣ペギラ |
6 | 育てよ! カメ | 大ガメ ガメロン、万蛇怪獣怪竜 |
7 | SOS富士山 | 岩石怪獣ゴルゴス |
8 | 甘い蜜の恐怖 | モグラ怪獣モングラー |
9 | クモ男爵 | 大グモ タランチュラ |
10 | 地底超特急西へ | 人工生命M1号 |
11 | バルンガ | 風船怪獣バルンガ |
12 | 鳥を見た | 古代怪鳥ラルゲユウス |
13 | ガラダマ | 隕石怪獣ガラモン |
14 | 東京氷河期 | 冷凍怪獣ペギラ |
15 | カネゴンの繭 | コイン怪獣カネゴン |
16 | ガラモンの逆襲 | 隕石怪獣ガラモン、宇宙怪人セミ人間 |
17 | 1/8計画 | 1/8人間 |
18 | 虹の卵 | 地底怪獣パゴス |
19 | 2020年の挑戦 | 誘拐怪人ケムール人 |
20 | 海底原人ラゴン | 海底原人ラゴン |
21 | 宇宙指令M774 | 宇宙エイ ボスタング |
22 | 変身 | 変身人間 巨人 |
23 | 南海の怒り | 大ダコ スダール |
24 | ゴーガの像 | 貝獣ゴーガ |
25 | 悪魔ッ子 | 悪魔ッ子リリー |
26 | 燃えろ栄光 | 深海生物ピーター |
27 | 206便消滅す | 四次元怪獣トドラ |
28 | あけてくれ! | 異次元列車 |
この中で特に怪獣デザインに特徴があるのが、ペギラ、ガラモン、カネゴン、ラゴン、パゴス、ケムール人、ピーター。
当然ながら個性あるこの怪獣たちは人気が沸騰し、このあと続くウルトラマンにも登場する怪獣もいました。
ガラモンはピグモンとして、ペギラはチャンドラーとして若干形を変えて登場、パゴスはネロンガ、ピーターはゲスラに形を変えて登場しています。
ラゴンはそのままラゴンとして巨大化して主役で登場しています。
ドラマとしてのクオリティも高い
怪獣が登場するSFドラマではありますが、当時東宝映画で活躍していた佐原健司を始めとする実力俳優が演じていています。
ストーリーも科学の発展の裏にあるマイナス面をうまく皮肉った内容になっていて、見応えがあります。
視聴率は各回30%超え
映画、ゴジラシリーズの成功により、世は怪獣ブーム。
映画でしか見られなかった怪獣がテレビで見られるとあって、視聴率は初回の「ゴメスを倒せ!」から視聴率が30%超えとなります。
28話のうち、数話は30%を下回る回もありましたが、平均視聴率は30%を上回っています。
この成功により、ウルトラマンの製作が決まることになります。
ウルトラQは怪獣と戦うのは人間。
次回作は怪獣もよりパワーアップさせることから、人間だけでは太刀打ちできない。
そこで巨大ヒーローが登場ということになります。
ウルトラマンの誕生です。
▼ウルトラマンについてはこちらの記事をご覧ください。
本来は白黒作品でのちにカラー化
ウルトラQは放送時は白黒映像でした。
放映から45周年を経た2011年にデジタル処理でのカラー化がされました。
デジタル処理でのカラー化というと、色がどぎつくなっているのでは?と思われますが、実に忠実にシックな色付けがされています。
2013年にWOWOWでカラー化した全話が放送され、僕はそのときにカラー化全話を鑑賞しました。
現在、「総天然色ウルトラQ」としてDVD、ブルーレイで発売されています。
ウルトラQは日本の特撮が充実期を迎えたときに製作された秀逸のSFドラマです。
50年以上経ったCG映像が主流となった今でも十分鑑賞に堪える作品。
まだ観ていない方はぜひ観てください。
円谷プロでは新プロジェクト「ULTRAMAN ARCHIVES」始動!!
円谷プロダクションでは今年10月に「ULTRAMAN ARCHIVES」が始動しました。
円谷プロが今まで携わってきた映像作品の写真、映像、造形物などを紹介する企画。
第一弾はウルトラシリーズの原点でもある「ウルトラQ」の中から「2020年の挑戦」「ガラモンの逆襲」「カネゴンの繭」「東京氷河期」が取り上げられます。
新プロジェクト「ULTRAMAN ARCHIVES」始動!!
Tsuburaya Prod. Official Channel
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