京都と言えば、歴史ある神社仏閣を中心とした観光地のイメージですが、魑魅魍魎が闊歩する妖怪(アヤカシ)の地としても有名です。
京都の地で平安時代に妖怪(アヤカシ)を退治した有名な陰陽師・安倍晴明。彼は式神と呼ばれる鬼を使い、妖怪退治をしていたとされます。
2001年に野村萬斎主演で安倍晴明を主人公にした『陰陽師』が公開されました。それから8年後の2009年に本作『鴨川ホルモー』が公開。今度は平安時代ではなく、我々が生きている現代の世界で妖怪ワールドが展開されるのです。
原作は『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などを著した作家・万城目学のデビュー作『鴨川ホルモー』で、本作の主人公が在籍する京都大学は万城目の出身校でもあります。
本木克英監督作品
監督は本木克英。
本作前には『釣りバカ日誌』シリーズ、『ゲゲゲの鬼太郎』(2007年)、『ゲゲゲの鬼太郎 千年呪い歌』(2008年)を監督。
本作後は『超高速!参勤交代』(2014年)、『超高速!参勤交代 リターンズ』(2016年)、『空飛ぶタイヤ』(2018年)、『映画 少年たち』(2019年)、『居眠り磐音』(2019年)など話題作を監督しています。
ホルモーとは?
本作のタイトルとなっている「ホルモー」とは何か?
「ホルモー」とは式神を使った戦(いくさ)の競技を指し、競技のクライマックスで発せられる「ホルモー」という雄叫びが呼び名として使われています。
京都の4つの大学サークルで競う
「ホルモー」は京都にある京都大学、京都産業大学、立命館大学、龍谷大学の4つの大学のサークルが参戦しています。
それぞれのサークルの呼称は京都大学青竜会、京都産業大学玄武組、立命館大学白隊、龍谷大学フェニックス。
山田孝之演じる本作の主人公・安倍明が所属するのが京都大学青竜会で、本会を中心にストーリーが展開していきます。
脇を固めるのが、濱田岳、栗山千明、石田卓也、芦名星、荒川良々など個性的な俳優たち。
特に主人公の親友・高村を演じる濱田岳の演技が面白く、本作のコメディ要素の演出には欠かせない存在になっています。
可愛い式神たちを呼び出す儀式に意表を突かれる
本作に欠かせないのが式神たち。
劇中では「オニ」と呼ばれていますが、オニ(鬼)らしい様相はなく、20センチほどととても小さな体形。デフォルメアニメとして3DCGで描かれています。
「オニ」が出てくるのが、阿部、高村たちが入部した青竜会での吉田神社で行った儀式から。儀式で「オニ」たちに認められないと姿を見ることができないのです。
意表を突く儀式に爆笑
本殿前に男子だけが集い、全員が真っ裸になって踊り始めます。彼らが踊りに合わせて歌うのが、なんとレナウンのCM曲「ワンサカ娘」。
1961年に登場した本曲がなぜ本作で使われたのかよくわかりませんが、この意表を突く設定が始めは戸惑うけれども、観ているうちに虜になってしまいます。
京都好きが喜ぶ京都らしい作品
京都大学が舞台の中心となっているため、京都の学生生活を少しばかり覗き見ることができますし、葵祭、祇園祭など京都を代表するイベント、さらに京都の名所も登場。京都が好きな方ならそれだけで満足できる作品でしょう。
お勧め度:
▼『鴨川ホルモー』はAmazon Prime Videoで鑑賞できます。

鴨川ホルモー