イジメる側とイジメられる側の心の痛みをリアルに描いた泣けるアニメ映画『聲の形』

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2016年に劇場公開された京都アニメーション制作の『聲の形』をNetflixで鑑賞しました。気になりつつなかなか観られなかった作品です。7年後の今、やっと鑑賞することができました。

『聲の形』は「こえのかたち」と読みます。

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原作は大今良時による漫画

原作は大今良時が発表した漫画で、最初に『別冊少年マガジン』2011年2月号に、リメイクされた作品が『週刊少年マガジン』に連載されています。

監督は山田尚子

本作の監督は山田尚子。当時、京都アニメーションに所属していたクリエイターです。彼女は2011年に『映画けいおん!』、2014年に『たまこラブストーリー』を監督し、『聲の形』は長編アニメ3作目となります。

興行収入23億円 数々の賞を受賞

公開館数120館と小規模ながら、累計動員177万人を突破、興行収入は23億円を達成し、2016年度の日本映画全体の興収ランキングで第10位、松竹配給作品では第1位となる記録を収め、数々の賞を受賞しました。

受賞内容は以下

  • 第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞
  • 第26回日本映画批評家大賞アニメーション部門作品賞
  • 第20回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞
  • 東京アニメアワードフェスティバル2017アニメオブザイヤー作品賞 劇場映画部門グランプリ受賞

イジメを題材とし、描かれるのはイジメる側の心の痛み

本作はイジメを題材としていますが、イジメられた側だけでなく、イジメる側の心の痛みも描いています。むしろイジメる側の方を詳細に描いていると言えるでしょう。

“退屈すること”を何よりも嫌う少年、石田将也。
ガキ大将だった小学生の彼は、転校生の少女、西宮硝子へ無邪気な好奇心を持つ。
彼女が来たことを期に、少年は退屈から解放された日々を手に入れた。
しかし、硝子とのある出来事がきっかけで将也は周囲から孤立してしまう。
やがて五年の時を経て、別々の場所で高校生へと成長したふたり。
“ある出来事”以来、固く心を閉ざしていた将也は硝子の元を訪れる。
これはひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語--。

http://koenokatachi-movie.com/introduction/  『聲の形』公式サイトよりあらすじ引用

公式サイトのあらすじで示されたように「ひとりの少年が、少女を、周りの人たちを、そして自分を受け入れようとする物語」なのです。

冒頭から高校生になった石田将也が自殺しようとするシーンが描かれます。

なぜ自殺しとうとしているのか?

将也が西宮硝子と初めての出会う5年前の小学校のシーンに切り替わります。

将也のクラスに転校してきた硝子、彼女は生まれつき聴覚障害を持っていました。耳が聞こえず、会話ができないのです。そのため硝子は「筆談用ノート」でクラスメイトと交流しようとしました。

そんな硝子を将也たちクラスメイトはイジメるようになります。

硝子の補聴器が何度も紛失・故障したことで学級会が開かれ、将也が犯人と決めつけられ、責任を感じた将也の母が補聴器代170万円を弁償することになります。

その影響で将也が逆にイジメられる立場となり、硝子も他の学校へ転校してしまいます。

中学校、高校でも同じように周囲から孤立。そうなったのは自分が硝子をイジめ、その罪が自分に跳ね返ってきたのだ、自分は罪深い人間で罰を受ける必要があるんだ、と思い込むようになっていました。

自殺を決意した将也は母親に補聴器代を返し、硝子が通う手話サークルを訪れます。硝子と再会した彼は「友達になって欲しい」と手話で伝えました。硝子はかつて自分をイジめた将也が手話を使えるようになったことに驚きました。

自殺を思い留まった将也は、カツアゲから救った縁で親友になった永束友宏の助力もあり、硝子と頻繁に会うようになりました。将也が硝子に対する気持ちは贖罪から恋愛に代わっていくのでした。硝子もまた将也に好意を持つように。

ここからクラスメイトとの再会もあり、友達との交流に心が開けるようになった将也でしたが、過去に硝子をイジメたことを蒸し返され、再び孤立してしまいます。

夏休みとなり、硝子の家に入り浸るようになった将也。花火大会の夜、自分のせいで将也が不幸になっていくと思い込んだ硝子がベランダから飛び降りて自殺を図ります。慌てて止めに入った将也は謝って階下へ転落、意識不明の重体に陥ってしまいます。

クラスメイトから責められる硝子でしたが、意を決してクラスメイトひとりひとりに会い、和解していきます。

悪い夢を見て目が覚めた硝子はかつてふたりで会った橋の上へ行きます。そこで将也と会えるような気がしたからです。

朦朧とする意識の中で、将也は硝子を見つけ、奇跡的に意識が回復。彼女に会いに病院を抜け出し、橋の上へ走ります。橋の上で泣いている硝子を見つけた将也は「君に生きるのを手伝ってほしい」と伝えます。

回復した将也は硝子たちと高校の文化祭に行きます。大勢のクラスメイトを見ながら将也はようやく自分の殻を破り、心開けた自分自身に涙するのでした。

映画『聲の形』 ロングPV 京アニチャンネル

結び

イジメる側であった将也がその反動でイジメられる立場となり、周囲から孤立、死を決意するが、イジメた相手との交流を通して罪が昇華され、やがて自己再生していくという感動的な筋立てです。

障害者へのイジメを扱ったデリケートな題材だけに暗い作品になりかねないのですが、主人公の再生を通して爽やかな作品に仕上げられています。

登場人物たちはそれぞれ完璧な人物はおらず、足らない部分があり、でもそれが普通であり、誰もが登場人物の中に自分自身を見つけることでしょう。

お勧め度:(4.0/5)

映画『聲の形』公式サイト http://koenokatachi-movie.com/

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