日本の特撮と言えば怪獣。怪獣と言えばゴジラですね。
今やゴジラは日本だけではなくハリウッドにも進出。2014年にハリウッドで製作された『GODZILLA ゴジラ』はモンスター・ヴァースとして『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)、『ゴジラvsコング』(2021年)の計3作が公開されています。
日本でのゴジラの配給は東宝で、特撮は円谷英二が設立した円谷プロダクションが製作していました。
東宝ゴジラシリーズは1954年公開の『ゴジラ』を皮切りに、2016年公開の『シン・ゴジラ』まで計29作品製作されています。
日本の特撮怪獣作品は着ぐるみが主流
怪獣映画は1925年のアメリカ映画『ロスト・ワールド』が初出で、1933年の『キングコング』、1953年の『原子怪獣現わる』に続きます。
これらの作品は静止している物体を1コマ毎に少しずつ動かしカメラで撮影し、あたかもそれ自身が連続して動いているかのように見せる映画の撮影技法であるストップモーション・アニメーションで撮影されています。
『ゴジラ』も当初はストップモーション・アニメーションで撮影を目指していたようですが、膨大な時間とコストの関係で着ぐるみを製作し、中に人間が入って演技する技法が採用されました。スーツアクターと呼ばれる役者が登場します。その代表的な人物が中島春雄さんです。
彼がスーツアクターとして最初に演じたのが1954年公開の『ゴジラ』です。
ゴジラの着ぐるみは150キロ近くもあったそうで、一度転ぶと自力では立ち上がれないほど。初めての役柄だったため、どんな動きをすればリアルに見えるか悩んだようで、上野動物園に毎日通って動きを研究したとのことです。
その甲斐あって作品は観客動員数961万人となる大ヒット。1956年にはアメリカでも『怪獣王ゴジラ』として公開され、4日間で1万7千ドルを稼ぎ出し、最終的に50万ドルを上回る興行成績となりました。
その影響で中島春雄の名は知られ、海外ではミスター・ゴジラの愛称で親しまれました。
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ゴジラ
中島春雄さんが演じた怪獣たち
中島春雄さんが演じた怪獣たちは以下の通り。映画作品だけではなく、テレビ放送のウルトラシリーズにも登場しています。
映画
- ゴジラ(1954年)
- ゴジラの逆襲(1955年)
- 空の大怪獣ラドン(1956年):ラドン、メガヌロン
- 地球防衛軍(1957年):モゲラ
- 大怪獣バラン(1958年):バラン
- モスラ(1961年):モスラ幼虫
- 妖星ゴラス(1962年):マグマ
- キングコング対ゴジラ(1962年):ゴジラ)
- マタンゴ(1963年):マタンゴ
- モスラ対ゴジラ(1964年):ゴジ
- 三大怪獣 地球最大の決戦(1964年):ゴジラ
- フランケンシュタイン対地底怪獣(1965年):バラゴン
- 怪獣大戦争(1965年):ゴジラ
- フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ(1966年):ガイラ
- ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966年):ゴジラ
- キングコングの逆襲(1967年):キングコング
- 怪獣島の決戦 ゴジラの息子(1967年):ゴジラ
- 怪獣総進撃(1968年):ゴジラ
- 緯度0大作戦(1969年):ライオン、グリホン、大ネズミ、コウモリ人間
- ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃(1969年):ゴジラ
- ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣(1970年):ゲゾラ、ガニメ
- ゴジラ対ヘドラ(1971年):ゴジラ
- 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年):ゴジラ
テレビ
ウルトラQ
- 第1話「ゴメスを倒せ!」(1966年):古代怪獣ゴメス
- 第18話「虹の卵」(1966年):地底怪獣パゴス
ウルトラマン
- 第3話「科特隊出撃せよ」(1966年):透明怪獣ネロンガ
- 第9話「電光石火作戦」(1966年):ウラン怪獣ガボラ
- 第10話「謎の恐竜基地」(1966年):襟巻恐竜ジラース
- 第33話「禁じられた言葉」(1967年):ケムール人
- 第38話「宇宙船救助命令」(1967年):光熱怪獣キーラ
ウルトラセブン
- 第17話「地底GO!GO!GO!」(1968年):地底ロボット ユート
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』を演じたのが最後
『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』を演じたのを最後に、中島春雄さんはスーツアクターを引退しています。
2011年(平成23年)アメリカ合衆国ロサンゼルス市民栄誉賞を受賞。
2012年(平成24年)11月、出身地である酒田市より「第1回酒田ふるさと栄誉賞」を受賞。
2017年8月7日に88歳でお亡くなりになりました。
昭和の日本怪獣映画を支えた名優でした。
Youtube「Great Big Story」公式チャンネルで「The Man Who Was Godzilla」として中島春雄さんの功績が紹介されています。
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