男は歳を取ると女性への興味が薄れていくのか?
いいえ、そんなことはありません。老いても異性への興味はなくならないんですよね。むしろ興味がある限り老いることはない。いつまでも若くいられるのです。ハイティーンから熟女まで魅かれる年齢層は幅広い。
今回はそんな老人の心境を綴った作品で、女子高生に心を奪われた老詩人の顛末を描いた韓国映画『ウンギョ 青い蜜』を紹介しましょう。
なお、本作の魅力を紹介するために結末まで書いていますのでご了承ください。
パク・ヘイルが老詩人、キム・ゴウンが女子高生を好演
『ウンギョ 青い蜜』は本国韓国で2012年4月25日に公開ですが、日本では劇場未公開作品です。
現在はDVDかVODで鑑賞できます。
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ウンギョ 青い蜜(字幕版)
原作は韓国の純文学作家、パク・ポムシン。彼が書いた”渇望3部作”の1つで自らの欲望を描いたベストセラー小説です。
当時30代のパク・ヘイルが特殊メイクで70歳の老詩人を演じ、本作がデビュー作となるキム・ゴウンが17歳の高校生ウンギョを演じています。本作で彼女は一糸まとわぬ姿を披露、女優として高い評価を受け、韓国のアカデミー賞とも呼ばれる大鐘賞(テジョン賞)を初め、韓国の主要映画賞を受賞しています。
老いて感性を失った老詩人が女子高生と出会う
まずはYouTubeで公開されている予告映像をご覧ください。
70歳の国民的詩人であるイ・ジョギョがある日帰宅時に自宅庭にある椅子に寝そべる少女と出会います。彼女の初々しい無垢な肢体を見たとき、彼の心の奥に今まで忘れていた甘い衝撃を覚えます。
ウンギョと名乗る少女はいっしょに帰宅したキム・ムヨル演じる老詩人の弟子ソ・ジウから立ち去るように促され、屋敷から出ていきますが、その後、キムと再会し、メイドとしてアルバイトを希望し、老詩人の屋敷に通うようになります。
メイドとして働くウンギョの姿を毎日眺めることで、老詩人はウンギョに魅かれていきます。ウンギョもまた老詩人に対して、少なからず好意のようなものを感じるようになります。
ウンギョが通い始めてから老詩人に失われていた感性が蘇り、密かにウンギョへの気持ちを綴った新作小説を書き始めます。タイトルは彼女の名前である「ウンギョ」です。
小説を書きながら、老詩人は若き自分がウンギョの若い肢体を貪り続ける姿を夢想します。
老詩人のウンギョへの気持ちに嫉妬した弟子が盗作
老詩人を尊敬し、彼の日頃の世話もしていた弟子ソ・ジウは老詩人がウンギョに入れ込んでいく様子を見て、老人と高校生の恋愛はスキャンダルになると警告します。
老詩人の机の引き出しから老詩人が書いた小説「ウンギョ」を偶然発見したソ・ジウはその素晴らしさに感動し、自分が書いたものとして発表してしまいます。「ウンギョ」はベストセラーとなり、彼は高名な賞を受賞します。
老詩人は自分が書いた「ウンギョ」が弟子に盗作されたことに気が付きますが、彼を問い詰めただけで訴えることはしませんでした。
弟子とウンギョが関係を持ったことを知った老詩人
ウンギョは自分をモデルにした小説「ウンギョ」がなぜソ・ジウに書けたのか疑問を持ちますが、ソ・ジウに求められるまま老詩人の屋敷の一室で肉体関係を持ってしまいます。
その光景を覗き見てしまった老詩人はソ・ジウに殺意を覚えます。盗作に対してより、ウンギョを寝取られたことに憤慨したわけです。そしてある工作をして、彼を事故死に見せかけて殺害してしまいます。
老詩人の気持ちを知ったウンギョ
ウンギョは小説「ウンギョ」を読み返し、老詩人と自分しか知りえないことが書かれているのに気が付き、小説が老詩人が書いたものであることを確信します。
久しぶりに老詩人の屋敷を訪ねたウンギョは弟子を殺害した自責の念に打ちひしがれ飲酒で廃人のようになって寝込む老詩人を見つけます。そして彼女は「自分を可愛く書いてくれてありがとう。自分があんなに可愛いとは思っていなかった。全然気が付かなかった。何も知らずにただうれしく思っていた。バカみたい」と老詩人に告げます。そして「さようなら」と最後の言葉を告げ立ち去ります。
ウンギョの言葉を聞いた老詩人は閉じた瞼から一滴の涙を落とします。
まとめ
本作は17歳の無垢な女子高生に魅入られた国民的老詩人とその若い弟子の関係を通して、老人の性を生々しく描いた秀作です。
エロティックなシーンも登場しますが、エロに陥らず、老人と女子高生と交流を美しく描いた恋愛映画となっています。
その要因となったのは何といってもヒロインのウンギョを演じたキム・ゴウンの無垢な可愛さでしょう。
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